改睦月型6番艦「麗月（うらる）」は実質的な量産体制の中で生産された葉月型の第2号機である。基本的な構造などは蒼月を受け継ぎ、蒼月の過剰な男性的性格の部分を矯正した結果、従順で扱いやすい性格となった。 　トータルバランスの統合性に優れ、どの様なミッションにおいても安定して能力を発揮する事が出来るため、非常に高い需要が見込まれている。 　なかでも中距離での牽制・支援能力は当時の戦闘義体運用上軽視される傾向にあったことからも非常に重要であり、この部分で最大能力を発揮するように調整されている。結果支援として、補助として、殿として、果ては指揮官としても機能する事が可能。 　これまでの改睦月型に比べると目立った特徴は全くなく、「特長がないのが特徴」という言葉通り。裏返せば「何でもできるが極める事は出来ない」器用貧乏という事になり、高い汎用能力に任せた無理な運用に際しては危険が伴う。また従順な性格ゆえ内面ストレスを溜め込みやすいため、管理する上で十全な配慮が必要とされる。 　なお、彼女の名付け親は卯月であり、WKD納入に際しては卯月からほぼ一方的に親子関係にさせられている。本人もそれに応えようとしているが、とりあえず語尾に《ぴょん》をつけるところはマネしなくてもいい。

　改睦月型5番艦「蒼月（せれな）」は、正式には葉月型と呼ばれるカテゴリーの第1号プロダクトモデルであり、後に続く葉月型モデルの長女と言える存在である。義体構造は姉の愛月からさらにリファインされ、無駄の一切ないシンプルな構造となったため、非常に取り回し易く扱いやすい義体となった。 　性格はダウナー気質だった愛月とは対照的に男勝りであり、一人称は俺であったり自身の身なりにもまるで無頓着だったりと、およそ少女とはいいがたい。「父」である真城ヶ原海斗には甘えたがる相応の可愛げはもつが、基本的にがさつで短慮なため精密な作業が苦手という弱点もある。 　しかし事作戦行動においては冷静・冷徹であり、殺傷以外の必要行動をとる事を決して躊躇わない芯の強さも持つ。敵対する勢力に対しての情報を重視し、ただ飛び込むだけではない理知的な部分もあり、前線では非常に頼れる存在となる。 　個性として超接近戦を好む傾向にあり、身動きが取れなくなる重装備は嫌う。特に足技を用いた格闘戦とガン・カタによる乱闘が得意であり、密集地での乱戦(いわゆる「お祭り」)で特に能力を発揮する。 　蒼月同様、改装の上WKDに納入され、厳しい戦いの中で姉妹たちの窮地を幾度も救っていくことになる。 　なお、「せれな」の名は文月が付けたもので、蒼月自身も文月に大変よく懐いている。