例えどれ程の圧倒的差があろうとも、それでも臆せず、怯まず立ち向かってくる者は決して「少女」は初めてという訳では無かった。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しかしその多くは傲慢と蛮勇に任せた匹夫共であり、お世辞にもとても褒められたものでは無かった。 　　　　だがたまにこういった邪心無く、ただ一途に、直向きに向かってくる者もいた。 　　　　　　　　　　　　　　そしてそんな相手を「彼女」は決して嫌いでは無かった。

モミルンの「それ」にも顕れていた。

剣を構え、じっと前を見据えた「彼女」は低く、だがハッキリとした口調でその「意思」を告げた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　目の前の「少女」に、では無い。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「少女」の「背後」に居る、「少女」を差し向けた、その「連中」に。

その有無を言わさぬ押しに「奴」は我を失い錯乱していた事すら忘れ―――

「彼女」は「奴」を急かす様に煽る。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「さっさとかかって来い」と。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「早く続きを戦ろう」と。