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ミユキは確かにこめかみに押し当てたグロック19の引き金を引き、そこから発射された9㎜パラベラム弾は自分の脳天を貫いた「筈」だった。 しかし次の瞬間彼女の目に飛び込んだのは「いつの間にか」変身した逆神に自分の両腕が掴まれ、銃を握った右腕が上に向けられて「いた」という「光景」。 そして何よりも今こうして「自分がまだ生きている」という「事実」であった。
「それ」は「経営者」である彼女にとってはとても馴染みのある「言葉」。 しかしこの少女が口にする「それ」は明らかに「違うもの」であった。 恐らく、いや間違いなく「悪い意味」で。
いつの時代のどの世界でも、自分が納得しない事があればいつまでも引き摺り続け、どこまで諦めるという事をせず、何かにつけ事ある毎に反発し、ネチネチと絡んでくるというのは人であれ、そして国であれ変わる事の無い「節理」である。 それは持って宿りし性(サガ)と言うべきか。 或いは決して逃れられぬ業(カルマ)と言うべきか。
逆神とて幼少期が「そう」であった様に「ラスボス」になってからも決して楽な道程では無かった。 あの「SS組」や騎龍に関わってからの彼女は度重なるイレギュラーに、アクシデントに見舞われ続け、時に傷付き、時に挫折し、絶えず辛酸を舐めさせられてきた。 それこそ挫けそうになった事も一度や二度では無かった。
自分とよく似たその「姿」。 何より「それ」から発せられる「気配」。 「海の日」の際に会っているのだから見紛う事など無かった。 今自分の目の前に映る「それ」が自分の「先祖」である「彼女」という「確信」に疑う余地は微塵も無かった。
だからこそ「これ」は、「この決断」だけは譲る訳にはいかなかった。 「自分」の事よりも、何よりも。 先ずは他ならぬ「彼女達」自身の「意思」こそが優先されるべきだと「彼女」は固く思っていた。
その光景をアクアラインからのライブ映像を通し見ていた逆神、そして場に集う者達は驚き、そして次の瞬間衝撃と興奮のあまり色めき立った。
理解が追い付かぬままただ成り行きを茫然と見ていた逆神だったが「彼女」が顕した鳥の姿をした「なにか」が「奴」の発した「闇」を悉く喰らい尽くした(?)のを見て思わず声を上げて驚いた。
感極まったのかその表情には嬉しさと安堵が入り混じり、気を抜けば彼女も思わず熱くなった目頭から元ラスボスや悪の社長らしからぬモノが感情の高まりと共にあふれ出しそうだった。 嘗て己の復讐と野望に立ちはだかった彼女が今こうしてあの時同様に現れた訳だが、今は当時とは180度真逆のポジティブな感情が大きい事は何よりもこの表情が雄弁に物語っていた事は言うまでも無かった。
彼女の姿を見た逆神はメビウス以上の安堵と嬉しさを隠せなかった。 つい今の今まで悲壮感すら漂っていたこの場の空気がたちどころに払拭されるに彼女は十分過ぎる存在であった。