少女「楽しいな、楽しいな」　老人「おやおや、またこっちの世界に来たのかい？」　少女「あ、お鼻の長いお爺さんこんにちは」　老人「ここも日に日におかしな生き物が増えて賑やかになっていくねえ、お前さんがそう望んでいる影響かのう？」　少女「ここの生き物たちはみんな優しい子ばかりだね、誰も私を虐めないし蔑まない、私の存在を認めてくれるの♪」　老人「イッヒッヒ！そりゃあお前さんはここの主様なんじゃから当然じゃな」　少女「ねえお爺さん、この可愛いリボンを見て！さっき眉間にしわをよせたお月様から貰ったんだよ♪」　老人「おやおや、オシャレなリボンを貰えるなんてお月様はお前さんのことをたいそう気に入ってるようじゃのう」　少女「えへへ、私リボンをつけたの今日が生まれて初めてだよ♪楽しいな、楽しいな」　老人「イッヒッヒ！良かったのう、お前さんの現実世界の友達にも見せてやりたいくらい似合っておるぞ」　少女「私に友達なんていないよ、私はいつも一人ぼっちだったもん！あ、でも今はここにいる皆が友達ってことになるのかな♪」　老人「ありゃりゃ、そうなのかい？じゃがお前さんにも家族がいるじゃろう、長々とこっちに入り浸っていると親が心配するかも知れないよ」　少女「あはは！パパもママも私の心配なんてしてないよ～♪いつも私のことを生きている価値のない穀潰しの虫けらだ！って怒鳴ってくるんだもん♪」　老人「イッヒッヒ！面白い両親だね、まあずっとここにいたいならそれもいいじゃろう、ここはお前さんが作った世界なんじゃから好きにするといい」　少女「うん♪」　月「むぅーん！むぅーん！」　老人「おや？お月様がお前さんを呼んでおるようじゃぞ」　少女「本当だ、ちょっとお月様のところに行ってくる！バイバイお爺さん、またお話しようね♪楽しいな、楽しいな」　老人「ふむ、どうやらもう手の施しようがないくらい心が壊れかけているようじゃな、この奇妙な精神世界を見れば一目瞭然か」　少女「楽しいな、楽しいな」　老人「まあ正気に戻ったところであの娘はろくでもない人生を歩みそうじゃしここで化け物たちと永住したほうがまだ幸せかもしれんのう」　少女「楽しいな、楽しいな」　老人「イッヒッヒ！幸せに飢えきった少女が壊れていく様を観察するのはなんとも愉快じゃわい、今夜は美味い酒が飲めそうじゃ！」　少女「楽しいな、楽しいな、あは、あはははははは！！」