「お菓子をくれないと、イラズラしちゃおうかな」 「あらあ、どんなイタズラですかあ、クラン様」 「そうねえ、薬草園で育てている植物になにかするのはユーク兄さまが困っちゃうから、キッチンの塩と砂糖を入れ替えて……は、私が後で泣きを見そう」 「ユークレース様のお家の厨房で同じことをしても、絶対に見破られそうですからねえ」 「気づいてもらわなきゃまずいでしょ。今度の薬草園のハロウィンパーティーで、ユーク兄さまのお家でごちそうの下ごしらえするのに、お肉が甘々だったり、かぼちゃのパイが塩辛かったりしたら大変だもの」 「あと出来そうなイタズラはなんでしょうかねえ？」 「そうねえ、ハロウィンらしくオバケで脅かしに行くくらい？　でも、私が化けて行っても、逆に笑われちゃうと思うのだけど」 「ここはひとつ、お菓子をたくさんもらってイタズラを回避するしかなさそうですよお？」 「それが一番よね。イタズラの理由がなくなっちゃえば、めでたしめでたし、よね」 「そうと決まれば、お菓子のおねだりに行くのですわあ」 「うん……なんか、ふりだしに戻っちゃった感じだけど」 「トリック・オア・トリート、で以下エンドレスですかあ」 「ハロウィン永久機関か……イタズラよりも、こっちの方がユーク兄さまに興味持たれそう」 ハロウィンに哲学を見い出した、クラン・ハイルさんなのでありましたｗ