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彼女は生粋の、いやそれよりもっと超の付く程の「科学信奉者」である。 この世の全ては科学的に実証出来るものだと信じていて、そこには「運命（フォーチュン）」などという「非合理（イラティオナル）」や「奇跡（ミラクル）」といった「非現実（オカルト）」など介在する余地は１ナノも無いと思っていた。 しかしこの時の彼女の目の前に起きた「邂逅」は正に彼女が微塵も信じていなかった「運命」であり「奇跡」であると何の迷いも無く彼女は信じる事が出来たのだ。
ミユキにとって「幸い」であったのは此の場が「教室」であり「彼女」がこのクラスの「担任」であったという事だ。 もし此処が「それ以外の所」であり、「彼女」が元々の「立場」であるとしたら絶対に「こんなもの」では済まない。 間違い無くこの「五体」、いや「魂」すらも此の世に「残っていなかった」であろう。
逆神の「彼女」に対する「信頼」と「親愛」の情は「彼女」の「真」を知る前も、そして知った後も変わる事は無かった。 肉親たる「姉」に次いで「心」を寄せる「彼女」のその「言葉」は惑いの渦中にあった逆神の「心」の琴線に響いた。
逆神が頑なにあゆみを連れて行かぬと固執する理由は何も発する言葉の額面通りの厳しさだけではない。 「戦い」を「理想通り」にしか見ていない「夢見がちなお子様」がその「現実」に直面した時に自らが受ける衝撃の大きさにその心が「壊れてしまわぬ様に」という気遣いも多分にあった。
嗚呼、願わくばこんな可愛らしい美少女と一緒にこうしてご飯を食べたり、買い物に行ったり、学校でキャッキャウフフしたり（健全？）………そんな人生が送りたかったｗ（哀） ご乱心カードEX編第十弾目、そして新生ナイトメア編第二弾となる今回のカードはナイトメア№２にして狂気のマッドサイエンティスト系元ラスボスの「ゆっきー」。モデルは中のヒトである「ゆかな」さんのキャラでも私赤文字が一押しの美少女キャラ「フルメタルパニック！」の「テレサ・テスタロッサ」ちゃん（愛称テッサ）です♡ 年齢こそ主人公「相良宗介」やヒロイン（？）「千鳥かなめ」と近いですが、これでもなんと傭兵部隊「ミスリル」の西太平洋戦隊の戦隊長にして最新鋭超大型潜水艦「トゥアハー・デ・ダナン（TDD－１）」の艦長でもある凄い子です。因みにデ・ダナンの設計、開発は彼女が主として行っており、言わば彼女はデ・ダナンのママンでもあるのです。まあ彼女自身は綺麗なままなのですがｗ（意味深） 実は彼女はヒロインのかなめと同じ「囁かれし者（ウィスパード）」と呼ばれる生まれながらにして高度な知識や能力を持つ特殊な人間でデ・ダナンや本作の人型機動兵器である「アームスレイブ（AS)」の様な現行の技術では本来実現困難な代物を実用化出来たのも彼等の様な存在がいたからこそなのです。「ご乱心世界」におけるゆっきーやまめぐの様な存在がそうですね。しかしその異能を自分達の欲望の為に使おうとする存在が居てそれが彼女達の存在、そして世界の平和を脅かそうとして立ちはだかります。それこそがテッサ達の敵である軍事組織「アマルガム」。ミスリルと同じ非合法の隠密傭兵部隊でありながら平和を陰ながら守るミスリルに対しアマルガムは戦火を振り撒く事で兵器の売買や兵士の派遣により利を得ようとする所謂「戦争屋」です。そしてその中にテッサの実兄で本作で宗介やかなめの最大の敵となる「レナード・テスタロッサ」も居ます。春アニで久しぶりの登場にして最後の戦いとなる今回は本格的にミスリル潰しとかなめ奪回に動いた兄たちアマルガムを相手に宗介が、そしてテッサ達ミスリルの辛く苦しい試練が待ち受けます。アマルガム、そして兄もいずれも強大な敵です。しかしあの可憐なか細い容姿からは想像出来ぬ芯の強さを持った彼女なら必ずどんな困難も乗り越える。私はそう信じてます。……はぁ～やっぱテッサたんかわいいおｗ
ミユキは自分が彼女の「怒り」に、「逆鱗」に触れてしまった事を否応無く理解してしまった。 そして「それ」に対し装い、欺かんとする行為は却って自分の首を絞める程の愚である事を少女は認識せざる得なかった。
今目に映る存在は彼女が今まで「目にしたもの」や「造り上げたもの」と比べても格段に異様で、異質で、異端そのものである。 だが今「アレ」が自らに成している「それ」はその中でも更に異質と言える「事象」であった。 この知欲の塊同然の彼女がそれが沸く事を思わず忘れてしまう程に。
そんなつぐみの苦悩を察しゆっきーは顔を、心を曇らせた。 それは言うまでも無くこの場に居る誰よりも彼女だけがつぐみの心中の葛藤を理解していたからに他ならなかったからだ。
「教師」としての視点なら確かに注意すべき事ではある。 だが「科学者」、ことに元「財団XXX」の総帥（CEO）であった者としての立場なら果たして同じ台詞を彼女は発しただろうか？ そんなキリコの指摘にゆっきーは思わず言葉を詰まらせた。
そう言ってゆっきーは静かに、だが険しさを滲ませた雰囲気を発しながらミユキに問うた。 担任でも、悪の組織の幹部でも、ましてや元ラスボスでも無い。 「「０」の名を継ぐ者」として。
【夕凪小の防衛システム】 この「夕凪市」には「ナイトメア」、それも今や旧「フィクサー」こと「ブルーノア」というかつて「ブルースカイ王国」を守護していた精鋭集団の加入によってそれこそ大国の軍隊以上の戦力が存在している。それだけでも十分過ぎるのだが、この町には更に超科学者ゆっきーの手で幾重もの対物理、対サイバー攻撃用の防衛システムが構築されており、そんじょそこらの「恐竜帝国」だの「百鬼帝国」だの「ミケーネ帝国」が攻めて来ようと容易く突破出来ぬ程の城塞都市と化しており、その様はブルーノアのりっさ曰く「かの「コンスタンティノープル」以上ねｗ」と言わしめる程。特に「ナイトメア本社兼社宅用アパート」とこの「夕凪小」は最重要防衛地点に位置付けられており、バリアや対地・対空多弾頭弾、防災用空地に仕掛けられたN2地雷などどこかの「第三新東京市」を彷彿とさせる鉄壁の要塞と化している。
アクアラインの様な規模の橋脚にはその上部に橋や道路、更には周辺を見渡す為の定点カメラが常設してある。 それは一部のカメラに於いては一般人でも確認する事が出来る様になってるのだが、ゆっきーはその持前のハッキング技術からアクアラインの全てのカメラをモニタリングする事が可能である。 彼女はその中から「対象」に最も近いカメラを選び投影する。
だが今目の前に立つこの少女は今までに出会ったどの存在とも「違う」。 自身には計り知れぬ「知識」を持ち、自身が持たざる「技術」を使い、何より自身ですら遂に持ち得なかった「人」としての「業」を誰よりも体現していた。 そう、己の主たる逆神ですらそこまで至る事の無かった「境地」……否「狂地」に紛れも無くその少女は今立っている。 その事にこの元ラスボスは心底戦慄した。