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エルフの里近所にあるクリーチャー商店街のたこルカフェで、女子会開催中のクラン・ハイルさん。いつものセルシアナとアルメリアの三人で冷たい飲み物片手に話に花が咲いています。 「イヨちゃんとモモちゃんは大丈夫？ アルメリア」 「今日はレア様の館で勉強習う日だから、あと小一時間くらいはお茶飲んでいられるかな」 「ここらへん夏でも涼しいはずなのに、熱波が来ているとかで毎日暑いわね」 「里の中はマシだけど、それでも城壁の裏手にある湖で水遊びを楽しむ連中が日増しに増えているもの。湖の畔に氷菓子や炭酸で割った蜂蜜酒を売る屋台が出て、さらにはテーブルを並べて鉄板で腸詰を焼いての即席ビアガーデンが出現したりと、毎日にぎやかよ？」 「まもなく夏祭りだっていうのに、みんな気が早いわねえ。いくら人外でも飲みすぎは良くないと思うのだけど」 「そういうクランは珍しくひとりで里へ来たと思ったら薬屋へ直行、お次は物資調達と手早く用事をすませて、再び門を抜けるまで所要時間４５分と来たもの。別にそんなに急ぐ必要ないんじゃない？」 「ここ２、３日ユーク兄さまが床に臥せっているから、なるべく早めに薬草園に帰った方がいいかなあって思って」 「え……？ クラン、それ、ここでお茶してる場合じゃないんじゃないの！？」 「食事は私が作って寝室まで持っていってるけど、別に起き上がれないほどじゃないし、ベッドで本を読みながらのんびり静養してるわよ。まあいつものことだから、セルシアナ」 「ああ、体あんまりお強くないんでしたね、ユークレース様。私なんて人間卒業してからほとんど寝込むことなくなったけど、体質によるのかな」 「単なる夏バテじゃないかな。薬草園もここのところ暑かったのと、ずっと魔法薬の増産に追われていたから」 「まーったく。その魔法薬、どうせ祭り用の二日酔いの薬でしょ。人間も人外もロクデナシは共通ね」 「たまにはひとりでゆっくり羽根を伸ばしておいでと、兄さまからお小遣いまで握らされたから、食べやすそうなプリンでもお土産に買って帰ろうかな」 暑中お見舞い申し上げます♪
中世欧州風の雰囲気たっぷりなエルフの里ですが、現代的な建物もないわけではありません。 ここはレア様の館の敷地内にある庭園。四季を問わずさまざまな草花が栽培されています。 「そりゃあ、私たちの技術を持ってすれば不可能はないわよ」 「資材はちょっと違うけどさ。明かりは魔法の力を封じ込めた光石だし」 「人間の世界ではガラスをはめ込んでいる温室は、里だと水晶の板だもんね。この庭園のやつも、私が工房で丹精込めて精製したんだから」 「咲いているお花も見事ですわあ」 「そりゃあ私の仕事だもの、れむルカ。里の庭師、それがメルラメラーヌさまのお役目よ。ただ遊んでいるだけじゃないんだから」 「ならば、もう少し落ち着いたらどうだ、メルラ」 「あら、私はいつだって冷静に花を咲かせているわよ、オルティス兄さま」 「……そういうことにしておいてやるか。アレクシス、お前ひとりだけでここへ来るのも珍しいな、クァエルはどうした？」 「あの子なら工房こもって縫製やってるよ、夏祭りの衣装準備で大変だって」 「ジャスティンも花火大会に向けて花火制作がたけなわだし、今の時期ふらふらしてる兄弟姉妹を探す方が難しいくらいじゃない？」 「あたしだって光石の手入れでここに来たんだし、そういうオルティス兄ちゃんは？」 「私は今日は裏手の湖で作業だ。徴用たちを指揮して小屋の組み立てに一日従事していたぞ」 「ああ、今年も水浴び用のビアガーデン開設かあ。去年大好評だったもんね」 「明日かまどを設置してためしに肉を焼く予定だ。お前たちも来るか？」 「いいわねえ、水着持ってこなくちゃ。この前通販したのがあるんだ」 「外の世界は熱波到来とかで暑いもんね。里はほどほどの気温と湿気なのがいいよね」 このステージ、近日配布予定です。
「待って、私とビールを一杯飲みませんか？友達はデート中はお酒を飲まないようにとアドバイスしてくれました…彼らは私が酔うと悪いことが起こると言いました…」
