Sボス「……やはり、部族派の一部が過激化しているのか」 Rボス「ああ、足並みをそろえて粘り強く交渉するべきという穏健派の対応に業を煮やした連中が、一気逆転を期待して外のPMCいくつかを引っ張り込み、政府軍に無差別に喧嘩を売ってる。おかげで政府軍は穏健派に対しても強硬な態度を崩さず、ますます状況は悪化する一方だ」 まあや「ごめんなさい、で許してもらえないの?」 Rボス「それで許してくれるならしないでもないがな。残念ながら穏健派にも彼らなりのポリシーがある。勝手に足並みを乱した連中が起こした面倒を身代わりに引っ被る理由はないわけだ」 Sボス「だがジリ貧には変わりない。いったん状況をリセットする意味でも、過激派連中を黙らさんことには始まらなんな」 まあや「……話が難しくなってきた。どこかで時間潰した方がいいかな」 タリバン1「دا ؟ تاسو چېرته لاړ شو ؟（ん？お前、どこ行くんだ?）」 まあや「تاسو يوازې د راغلو څو له نږدې مزل（お散歩。近くを歩いてくるの）」 タリバン1「دا اړخ دی او همدارنګه زه د دښمن ، په کافي اندازه د احتياط زيات نه پوهيږم ...（この辺はよくわからん敵が多く出る、注意して……）」 タリバン1「انتظار ، هلته څه ؟（待て、何かいるぞ?）」 まあや「え？あれは……鉄の、骨格の……？」 タリバン1「دښمن بريد وو !!!（コンタクトぉぉぉぉっ!!!）」 Sボス「こりゃあ……いったい何が……」 Rボス「先手を取られたか……強硬派の連中がここいら一帯の外国人を集めて政府をゆすろうとしているんだろう」 Sボス「要求呑まなきゃ人質殺しちゃうぞ☆(ﾃﾍﾍﾟﾛ」 Rボス「そんなところだろうな。」 Sボス「あちゃー……婿殿はともかく、巫女は何というだろうか……「あの子が何か面倒を起こす前に」助け出さんと、私が怒られる^^;」

　今年も間もなくクリスマス、銀匙市エリアも例年にもれず雪景色一色となった。しずしずと降り積もる雪の厚みに、年の終わりと希望の到来を予感する。 　貨物船艦娘として生まれた宗谷も、自身のスペックをフルに使って子供たちへのプレゼント配布のためにリハーサルの真っ最中。「前世」では「海のサンタクロース」と呼ばれた身、陸に場を移しても気合が入ろうというものである 　だが、彼女にはささやかな願望があった。 「本物のサンタさんに会ってみたい!」 　概ね、サンタという存在がどのようなものかは予測がついていたために半ば諦めの感情が支配した願望であるが……心のどこかで、彼女はその想いを温め続けていたのである。 ???「メリー・クリスマス!!頑張ってるお嬢さんに、一足早いクリスマスプレゼントだよ!!」 　本番直前のリハーサルを終えた宗谷に、お道化た調子で話しかけてくる紅い迷彩服の男。頭にはサンタ帽をかぶり、白く大きな袋を担いではいたものの……射貫くような鋭い眼光やその身体から漂うオーラはどう見てもサンタというよりは戦場で返り血を頭から浴びた兵士の様にしか見えない。 　だが、宗谷はそれを察しながら、その男が表現した目一杯、精一杯の持て成しの心を理解し、そしてサンタクロースという存在の本質をも理解した。その意味では、彼は間違いなく宗谷が遭いたいと願ってやまなかったサンタクロースだった。 　一緒にポーズを決めた写真は、彼女の最大の宝物として大事に保管されている。彼女はこれから先、このサンタから受け取ったプレゼント……「誠意」を決して忘れる事は無いだろう。