イグゼフィア・アンドロメダ・オメガこと、”外の領域”から突如として現われた王権種Ω1。 逢魔黎明が本拠とする城に敷かれた幾重もの防衛ラインをゆうに突破し、あろうことか最終防衛ラインの先に位置した玉座の間にまで侵入を果たす。 城外の次元守護を担当していた筈の戦力は軒並み機能不全に陥る程の損害を受け、多次元世界を素材とした何重もの城外壁ですら、見る影も無い。 その被害をもたらした当の存在は少なくとも外見上は損傷がまるで見受けられず、それどころかあらゆる存在にあるとされた「核」、それが無い事を玉座に在った彼女・彼は確認する事になる。 「核」が存在しないという事は「核」を根源としたあらゆる能力が通用しない事を意味し、本来なら対処出来る手段が存在しない事を意味する程の重大局面といえたのだが・・・。 逢魔黎明を始めとした隠世災禍・十三翼の番はそもそも、そうした”外の領域”の存在に対抗出来るが故に組織として成立している側面がある。その為、この展開にあって彼女/彼が選んだ選択は何も驚く事ではなかった。 そう、隠世災禍に属する貌とはまた、別の貌を晒すという事になるのも予定調和としてそれは既に知っていたのだ。 ・・・この場に在ったのはこの時点においてこの二者のみ。 最終的に一方は感じるはずの無い絶望を、一方は失望を抱く一幕となる。