学校の休みを利用して、不思議な旅をしているミクちゃんたち。 陽が沈む前に本日の宿に入りました。 「いつもながら雰囲気良いわねえ。まるでRPGに出てくるような宿屋みたい」 「旅の風情たっぷりなのよー」 「歩くのは大変だけどね……いつも思うんだけど、私たちいったいどこにいるの？　街のクリーチャー村にある魔法陣とやらでどこかに飛ばされたのは分かるけど、スマフォの電波が入らないから現在地全然分からないし」 「魔法陣で飛ばされた先は、その時によってランダムなのよー」 「でも、くりーちゃーが支配する土地だから安心なのよー」 「えー、時々昼夜逆転しているような場所もあるけど、遠い外国かどこかなの？　私パスポートとか持ってきてないけど」 「今のミクちゃんはくりーちゃー扱いだから大丈夫なのよー。渡り鳥が好きに海を越えても怒られないのと同じなのよー」 「行先はランダムだけど往復しかできないから、帰るときはちゃん元の場所に戻れるのよー」 「ミクちゃんはもともとがくりーちゃーじゃないから、決められた領域の外へは出られないにゃあ」 「うーん、くりーちゃーの瞬間移動手段だけど、私には用途が限られちゃうのね？」 「そうなのよー、このまま人間の街へは行けないのよー」 「宿代も買い物も、街のクリーチャー村で流通してるおカネだっけ」 「他にもいろいろ使えるけど、ここら辺では人間のおカネやカードはダメみたいなのよー」 「大きめの村だと両替商もあるのよー」 「私たちは事前に街のクリーチャー村で換金してるからいいけど、普通の人間が迷い込んだら大変よねえ」 「この辺歩いている人間がいたら、たいてい訳ありだにゃあ」 「あはは、私も訳ありかあ」 「クリーチャーの飼い主ってだけで、十分資格あるのよー」 某所にミクちゃんたちが紛れ込んでいた裏話であるｗ