八極拳は近距離で相手を圧倒することにただひたすら進化し続けてきた戦闘武術です。特に私が部分的に習得している李氏八極拳は套路（練習の型）よりも一つの技の純度を重視する傾向があり、達人として知られる李書文は牽制の一撃だけで相手が倒れて（死んで）しまった、という逸話があるほどです。 　相手を防御の上からでも強引に打ち倒すというコンセプトは、イスラム圏において発達した「心意六合拳」にも似ており、その用途が戦闘以外の何物でもない事を如実に表していると言えるでしょう。 ①　裡門頂肘・外門頂肘 　八極拳の基本、相手に近づく際に用いられる技です。ただの肘打ちではなく、肩を抉り込むように体ごと肘から突っ込む体当たりのようなイメージで、体重の乗った勢いが肘に集中するため高い威力を持ちます。相手の懐に潜り込む形を裡門、構えの外からの頂肘を外門と呼びます。 　②　鉄山靠 　もはやお馴染みの「八極拳といえばこれ！」。低い姿勢で懐に飛び込み、靠（肩口から肩甲骨あたりの範囲）で体当りします。多くの場合は相手の攻撃に対するカウンターとして使われ、単一では効果が薄いとされています。 　③　連環腿 　八極拳で数少ない足技です。これはしっかりと足を地面に据え付けて放つ打撃の方が蹴りよりも威力があるため。練習では高く蹴り上げ、必要に応じて実戦で高さを切り替えていきます。 　④　猛虎硬爬山 　もうひとつの八極拳の代表的な技ですが、その正体は釈然としません。当初この技は「相手に突きを防御させ、すかさずそのまま肘打ちに移る技」と紹介されていましたが、のちの時代では掌で相手を打つように修正されています。基本的には上半身の捻りで打ち込む技で、単体で使うことは希のようです。 　八極拳の威力は先に述べた李書文のあまりの強さもあり、中国全土に広まっていきました。実際のところ単発での殺傷力は一番でしょう。 　しかし、一撃一撃の合間には必ず好きが生まれ、そこを突かれると脆い面があるのも事実。そのため、八極拳士の中には他の流派を取り入れてその隙をなくそうという試みもあるそうです。 　その最たる存在が八卦掌。八極拳とは逆に柔の代表とも言うべき中国武術なのです。

ヨーロッパに誕生した無政府主義国家の影響は、アジアまで伝播した。中国で学生を中心とした無政府主義運動は、日本との泥沼の戦争後で疲弊していた中国全土に広がり、瞬く間に飲み込んだ。 中国大陸には、閉じられた社会が広がっている。 ※この投稿にはあらゆる政治的な意図はありません。 普段はTwitterで架空歴史を解説しています。 https://twitter.com/poland_rumania?s=21&t=ua_oyrIe_qk1mPDHeBYrNA