五百旗頭 を含むイラストが 27 件見つかりました ( 21 - 27 件目を表示 ) タグで検索

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先ほどとは一転して、静寂に包まれる空。 曇天の空から差し込むのは、無数の光の束。 「…!!」 …それが私に向けられた攻撃だと気付いた頃には、もう遅かった。 身体全体に伝わる衝撃。 まばゆい光の束はいつの間にか“チルミナータル”の障壁を破り、装甲を、そして私自身を貫いていた。 致命的な損傷を受けて制御を失った“チルミナータル”が、みるみるうちに高度を落として行く。 「…命令に背き、あまつさえ異端者たちと行動を共にするとは。 失望しましたよ、同志常雪」 吐き捨てるように言ったのは、空中を浮遊し、白装束に身を纏った、もう一人の“元凶”。 「…やれやれ、温情をかけた結果がこれですか。 やはり血は争えませんね、同志…いや、反逆者の子よ。 しかしこうして露払いを済ませ、冬至の下まで導いてくれた。 そのことだけは、感謝しておきます」 背後に魔法陣を展開し、勝ち誇った表情で嘯くクラウス。 「安心しなさい。 貴女の父もお仲間も、すぐにそちらへ送って差し上げます。 ですから…」 棘を生やした巨大な光の輪が、クラウスの周りに顕現する。 輪に生えた棘はやがて各々が自立した刃となり、私の方へ解き放たれ。 『Requiescat in pace(安らかに眠りなさい)』 かわす術も失われた私の身体に、深々と突き立てられた。 『常雪さん!!』 3人の絶叫。 重力に引き寄せられ、風を切りながら墜ち行く感覚。 『……んの、クソ野郎ぉぉぉっ!!』 激昂した五百旗頭さんの声が聞こえたのを最後に。 私の意識は、ぷつり、と途切れた。 次→im11133327 前→im11100234 最初→im10758499

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「…つまり、あたしらもイカれた復讐劇に巻き込まれてたって訳ね」 五百旗頭さんは厳しい顔でそう吐き捨てる。「推測も入るが、概ね事実」肯定したところで、バン、と机を叩く音が鳴り響く。そちらを窺う頃には、既に日向さんが目前に迫っていた。彼女は右手で私の襟首を掴み、がなり立てる。「いい迷惑だわ!!貴女の父親のせいで、どれだけの人が犠牲になったと…!」私は振り払うこともせず、ただ彼女の目を見据え、応えた。 「…弁解はしない。 本来、貴女たちに頼る資格など、私には無いのかも知れない。 それでも、多くの人々を救いたいと、心から思っている。 “共同体”の一員ではなく、私個人として」 「…!」 襟首を掴んでいた手の力が、徐々に緩んでゆく。 「…復讐に取り憑かれた人間に、見境はありません。 日向さん。かつての貴女がそうであったように。 それに彼女もまた、犠牲者の一人に過ぎない」 不死原さんに言い放たれ、目を伏せる日向さん。 「…そうね。でも、やり切れないじゃない。 ずっと誰かの掌の上で踊らされていたなんて」 そう言い、彼女は力なくうなだれた。 「…ところで常雪さん、一つお聞きしたい。 私たちが加わったところで、勝算はあるのですか?」 不死原さんは私に視線を移し、そう問うた。 「…策は、ある」 いよいよ本題に入ろうとした、その時。 不意に開け放たれるドア。両側には、デスマスクを被った男たち。 「…お話の途中、失礼致します。うら若き“魔女”の皆様」 続いて入室し、辞儀をする白装束の男。 「閣下…!」 反射的に立ち上がり、敬礼する私。 (これは、まずい) …“共同体(ゲマインシャフト)”。 否、かつては“イルミナティ”と呼ばれた秘密結社。 その頭目たる“王”、クラウス・ヴァイスハウプト。 彼は同志たちに向け、こう嘯く。『全ては人々の安寧のために』、と。事態は、更に混迷を究めようとしていた。次→まだ 前→im10883411最初→im10758499

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「私は…行かない」 「…何?」 そこで初めて、父の無表情が崩れた。 僅かに眉をしかめ、私が二の句を次ぐのを待っている。 「言った、通り…だよ。 私は、新しい世界なんて、要らない…!」 そうして内に秘めていた感情が堰を切ったように、言葉として溢れ出す。 「…あの夜、母さんが、殺されて。 目の前が、真っ暗に、なって。 起きたら、襲ってきた人たちが、倒れていて。 父さんは、母さんを抱えて、いなくなった… どうして、私だけ、置いていった、の…?」 「…」 視線を落としたきり、父さんは答えない。 「母さんを、殺されて、悲しかった、辛かった…! それは、私だって、同じ…! だから側にいて、欲しかったのに…!」 感情が昂り、釣られて流れ出す涙。 「父さんは、父さんのままで、いてくれれば、良かった…! 一緒に逃げるなら、どこまででも、ついて行った…! もう止めて、父さん! 母さんだって、こんなこと、絶対に望んでない…!」 私はあらん限りの声を振り絞って、必死に父さんへ呼びかける。 …けれども、彼は顔の前で拳を握り締め、首を横に振る。 逡巡の末に導かれたのは、拒絶だった。 「…柊。もはや私は引き返せん。 人としての身は、当の昔に捨て去った。 これ以上の会話に意味はあるまい。ならば…」 父さんの鋭い眼光が私を捉える。そして。 「せめてもの情けだ。 我らの手によって、ここで果てるがいい」 母さんだったものの腕から触手が伸ばされ、私の目前へ一瞬で迫った。 (…結局、私は何も変えることは出来なかった。 思えば、短い人生だった。 人々のためにと、戦い続けた。時には、この手を守るべき人間の血で染めながら。でも最後に、可能な限りの方法で贖ったつもり。 …五百旗頭さん、不死原さん、日向さん、巻き込んでごめんなさい。 先に、逝く…)志半ばの悔しさと謝罪を胸に、私は静かに目を瞑った。 次→im11174592 前→im11133327 最初→im10758499

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異界を飛び出し、空から3人の姿を探す。すると、開けた丘の上でクラウスと対峙する彼女たちの姿を見つけた。私は勘付かれぬように上空で旋回し、その後方へと静かに降り立つ。「…もう諦めてはどうです?降伏するなら、命だけは助けてあげましょう」クラウスがこちらに気付いた様子はなく、勝ち誇ったようにゆっくりと歩を進めてゆく。その先では深手を負った日向さんを不死原さんが支え、彼女たちを庇うように五百旗頭さんが剣の切先をクラウスへと向けていた。「はっ…御免よ。あんたのやり口は聞いてる。どのみち殺すつもりでしょ?大勢の命を弄んで…本当に、反吐が出る」そう言って、五百旗頭さんは血の混じった唾を地面へと吐き捨てた。「…これは手厳しい。私はせめてもの慈悲を施しているだけなのですが」わざとらしく肩を竦め、クラウスは言葉を紡ぐ。「…“怪異”は人の持つ霊力を依代として生まれ出で、それが大きいほどに脅威も増す。そして冬至も貴女たち“魔女”も、稀有で過大な霊力を有している。存在自体が“怪異”発生の温床となりかねません。管理が難しいのであれば、“処理”を施すより他は無い。ご理解頂けませんか?」「…オーケー、理解したわ。永遠に分かり合えないって事が。でもね、あんたにとっては取るに足らない人間が!場所が!あたしらにはかけがえのないモノなの!命を平気で踏み躙る様なクズが、神様気取ってんじゃないわよ!!」少女の雄々しい叫びに嘆息し、クラウスは眉を顰める。「…ふむ、では手短に済ませます。消えなさい」「そうね…最後に一つ言っとく。…死ぬのは、あんたよ」五百旗頭さんはニヤリと微笑み、こちらにウィンクする。私は小さく頷き、応じた。『疾風迅雷!』勢いよく投げた槍斧が光を纏って加速し、真っ直ぐにクラウスめがけ飛ぶ。「なっ…!」槍斧は展開された障壁を突き破り、彼の胸を深々と貫いた。「…因果応報」独りでに戻った斧を天に掲げ、私は冷ややかに“敵”を見下した。次→im11228372前→im11174592最初→im10758499

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朝。学校の昇降口。掲示板を前に立ち尽くす、三人の女子生徒が目に留まった。「何よ…これ」金髪を二つ結いにした少女が思わず漏らした。「…貼り紙でしょう。尋ね人の」にべもなく背の低い黒髪の少女が返す。 「見りゃ分かるわよ。 何でこんなにあるのかって話!」 それに金髪の少女が食ってかかる。 「街中でもあちこちで見かけたわ…異常事態よ、これは」 茶髪の少女は状況を客観的に分析しているようだ。 「…ちょっと、いい?」 声をかけられ、はっとして三人は振り向く。 「!…下がって!」 茶髪の少女…かつての同志である日向さんは、二人を庇うように立ち塞がる。 「…誰よ、あんた」 「常雪さん…でしたか?確か、生徒会長をやられている」 「あぁ…そういや全校集会で何度か見たことがあるわね。 で?その生徒会長さんが、あたしらに何の用?」 二人も訝しげな視線をこちらに向けている。 「落ち着いて。揉めるつもりは、ない。むしろ…」 そこで私は言い淀む。 彼女たちは異端者だ。こうして接触すること自体が躊躇われた。 しかし、今はなりふり構ってはいられない。 彼女たちの手を借りるより他に、この状況を打開する術はないのだから。 「…少し、話がしたい。 生徒会室まで、来て欲しい」 「…罠でないという保証は?」 日向さんが問う。 「謀る余裕など、ない。 既に多くの部下を、私は失っている」 答えた時、私は自分でも驚くぐらい沈痛な面持ちになっていたのだろう。 「…聞こうじゃない」 五百旗頭さんが察してくれたのか、日向さんの肩に手を乗せてそう宥めた。 「でも!き、桔梗ちゃんはどう?」 「…少なくとも、貴女の時ほどの胡散臭さは感じませんが」 「うっ…」 バツの悪そうな顔をした日向さんを鼻であしらい、不死原さんは眼鏡を人差し指で押し上げる。 「…ありがとう」 私は深々と頭を垂れ、彼女たちを生徒会室へと導いた。 次→im10883411前→im10861847 最初→im10758499

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…あの時を境に、鈴懸さんが忽然と姿を消した。それに呼応するが如く、僅か数日で「白装束の幽霊を見た」という噂が囁かれ始める。その為、私たちは急遽旧校舎の部室に集まり、今後の方針について協議する流れとなった。「…怪異は洗面所、踊場、廊下、教室と、神出鬼没。唯一の共通点は目撃された際に泥を残していくこと…ですか。如何せん情報が少なすぎますね。時に日向さん、鈴懸さんの行方は?」「お手上げよ。あれ以来、誰も彼女を見ていない。まるで、神隠しにでも遭ったみたい」すると、五百旗頭さんが何故か苦い顔をして問うてきた。「…それって、異界に連れ去られたってこと?」「おそらくね。でも異界と繋がっている場所が分からなければ、手の打ちようがない。厳しい状況よ」現状の難しさを共有した私たちは、自然と黙り込む。そうして、暫しの時が流れた後。「……鏡の国」椅子の前脚を浮かせ身体を揺らしていた五百旗頭さんが、ボソリと呟いた。「え?」気になった私は聞き返す。「…あのさ、鏡の向こう側の世界に迷い込むっておとぎ話があるでしょ?それと同じかなって」「でも、教室や廊下に鏡は無いわよ?」私が咄嗟に矛盾を突くと、確信がないのか、彼女は再び考え込んでしまった。「“姿を映す物”を鏡に含めるなら、どうでしょうか?」そこに不死原さんが、仮説を補完する形で私見を述べる。「…推論の域を出ないわね」懐疑的な態度を崩さない私を見て、不死原さんはその場に立ち上がった。「論より証拠ですよ。ほら…」何かに感付いた彼女が、窓ガラスを指し示した時。…一年前に見たあの怪異が、フッ、と、通り過ぎて行った。「…マジ?」言い出しっぺが思わずそう口にするのだ。私が驚かない訳がない。「もう議論の必要はありませんね?鈴懸さんの事を考えるなら、行動は急いだ方が良い。…いざ、敵地潜入と参りましょう」“物置の魔女”が口を歪めてそう締め括ると、会議は呆気なく終わりを迎えたのだった。次→im10702519前→im10691569最初→im10672240

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現れた3体のうち、突出している真ん中の1体に私は狙いを定めた。勢いよく振るった鞭は、蛇のようにするりと怪異の身体へと巻き付く。『痺れろ』唱え、鞭に纏わせていた魔力を瞬時に電気椅子並の強力な電流へと変換した。如何にタフな奴等とて、これを受ければタダでは済まされない。怪異は激しく痙攣し、身体は焼け焦げ、周囲にすえた臭いが充満する。僅か数秒ほどで頭部が破裂音と共に勢い良く弾け、残りはどろりと融解して活動を停止した。「ひとぉつ!」叫んで、解かれた鞭のボディを引っ張りながら疾走する。そして屠った個体の横をすり抜け、残る2体の背後に回り込んだ。奴等も振り返って迎撃しようとするが、その動きはあまりにも鈍い。私はここぞとばかりに、左の掌に溜めていた魔力を一気に解放する。『稲妻よ、来たれ』響く雷鳴にやや遅れて、黄色い二つの閃光が走る。雷に打たれた奴等は、やはり先の個体と同様に爆ぜ、ただの泥と化してその場に崩れ落ちた。「…案外脆いのね」姉さんを手こずらせた相手がどんなものかと思えばこの程度とは、正直拍子抜けだ。私は髪をかきあげ、その無様な成れの果てを冷たい瞳で見下した。「ヒュー、やるじゃん!」それを見た五百旗頭さんが口笛を一つ吹いて、興奮した様子でこちらを眺めている。褒められて悪い気分はしない。ついニヤリとしてしまう私。「…感心している場合ではありませんよ。後ろから新手です」不死原さんの警告通り、彼女たちの後方から怪異の集団が迫る。「了解、それじゃ次はあたしたちの番ね!」五百旗頭さんは気炎を上げ、敵を真っ直ぐに見据えて剣を構えた。「張り切るのは結構ですが、油断されませんよう」対照的に冷静な態度で不死原さんは応え、両手の短剣を強く握り締める。(…さて、お手並み拝見、といったところかしら)二人の背中を見つつ、私はそう心の中で独白した。それに彼女たちの能力について情報を収集することも、重要な任務の一つ。今宵の戦いは、長くなりそうだ。次→im10711108前→im10702519最初→im10672240

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