前→im9048874（注:このキャプションはイラストに一切関係ない連続小説です）「君は一体？」私は恐る恐るそう尋ねた。実際には未知との遭遇に混乱し、いくらかどもっていたかもしれない。「良い驚きっぷりだな。これを彼女たちが聞いたら喜ぶに違いない。まあ、尤も外に出ることが出来るのは、我々程度だろうが」鴉は再びクックと笑った後に思い出したように言った。「まあ、私のことは大鴉とでもよびたまえ。外の世界じゃ喋る鴉はそう呼ぶという話しだしね」「それは、小説の話ですよ」「ああ。ポーだろう？」目の前の鴉は、どうやらただの動物ではないようだ。いや、喋っている時点でただの動物ではないのだが、それに加えて、文学の知識まであると見える。まさか人虎伝よろしく、人間から鴉に転身したものではあるまいか。私のその考えは「そんなわけ無いだろう」という言葉で一蹴された。