つい今しがたまで自身の心を支配していた怒りの感情が潮が引く様に沈んでいく。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　代わりに浮かんできたのは目の前の相手に対する侮蔑、そして一抹の憐憫の情。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コイツは知らないのだろうか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自分によって今までにどれほどの敵が無様に倒されていった事を。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　恐るべき超兵器を多量に保有しているかつての旧超大国（米中露）も、それらをも凌駕する精鋭の大部隊を要している新興超大国（BLUESKY）も私は勝利した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あのかつて憧憬すら抱いていた「伝説の戦士」達をも今や私にとっては哀れな敗残者と成り果てた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その私に加え、超戦士二人も居るこの状況下でそれに怯む事無くたった一人で挑むだと？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ああ………何の事は無い。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コイツはちょっと腕に覚えのあるだけのモノを知らぬ匹夫。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　で無ければ義侠心に駆られただけの只のバカだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ならば畏れる事など何も無い。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　腕っぷしが多少ある程度の愚か者風情にこの私が、この逆神が負ける事など有りはしないのだ。