今の学歴社会に不満はない。悪いのは全て自分だ。そんなことはわかっている。同情してもらいたいわけでもない。ただエリート層を見てうらやむ人々にうらやむ必要なんてないんだということを教えてあげたい。そういう思いで詩を作った。自分の学力は世間一般からみればトップ層に属する学力である。しかし、トップ層の学歴を持っていても、私は学問に興味はない。親に押し付けられた勉強道具を言われるがままにこなしてきた今までの自分は端から見ればエリートなのかもしれない。だが、学生時代を楽しみたかったはずの私は学生時代に青春を謳歌することを許されず、皆が楽しんでやっていることを何もできず、ただエリートを目指して勉強にあけくれた。心のそこでは自分もまわりの生徒のようにおしゃれをしたり遊びにでかけたり彼女と遊んだりしたいと望んでいたはずだった。そして今、学生時代を終え、自由の身になった。自分の望みを全てあきらめ、行きたくもない有名大学を目指して、したくもないのに浪人生活を余儀なくされ、そうして掴んだ今の自由なのに、私は今自分が何をしたいのかがわからない。何ができるのかもわからない。他人との距離感もわからない。何年間も勉強してきて、いろんなことを我慢してきて、私は一体何を手に入れたというのだろうか。

「ミライちゃん、とうとうパークにやって来たね。」 「そう！ガイド枠での就職だよ。」 「しかし『密猟・侵入者迎撃班』でしょう。名簿盗み見てビックリしたわ。」 「だってそうだよ。そうすれば年齢学歴社会的身分関係なく雇ってくれるんだもん。けものさんたちとお近づきになるにはこれが一番早い！」 「だからって！」「私だって無鉄砲じゃない。あなたに大事に思われてることだって分かってる。大丈夫！私は死なん！」 「…。そう。一パークガイド迎撃班員としての覚悟は出来てるんだね。じゃあこの私、『カコ博士』から言わせて貰うよ。 ＿ミライ、といったな。ようこそジャパリパークへ。そして武運を祈る。」 「歓迎と激励の言葉、恐縮の至りです。カコさん。」