タイトルとイラストはほとんど関係ありません。 辻本奈央さんという生主さんの企画一時間ドローイング（十五回目）に描いたものです。 ネタ枠採用されても、入賞はむずかしい。 綿月豊姫ときまり、３０分ネタに悩んだ結果、ちはやふるになった。 儚月抄１８話にて、レイセンに「空に浮かぶ美しき月、貴方には見覚えがあるはず」といったセリフから小倉百人一首七句目「天の原　ふりさけ見れば　春日なる　三笠の山に　出でし月かも」という要約「故郷の月だ」と言っている札をとっている豊姫を描くこととなった。

わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと　人には告げよ海人の釣船 わたのはらやそしまかけてこきいてぬと　ひとにはつけよあまのつりふね

山川に風のかけたるしがらみは　流れもあへぬ紅葉なりけり やまかはにかせのかけたるしからみは　なかれもあへぬもみちなりけり

春過ぎて夏来にけらし白妙の　衣干すてふ天の香具山 はるすきてなつきにけらししろたへの　ころもほすてふあまのかくやま

村雨の露もまだ干ぬまきの葉に　霧立ちのぼる秋の夕暮 むらさめのつゆもまたひぬまきのはに　きりたちのほるあきのゆふくれ

忍ぶれど色に出でにけりわが恋は　ものや思ふと人の問ふまで しのふれといろにいてにけりわかこひは　ものやおもふとひとのとふまて

夕されば門田の稲葉訪れて　蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く ゆうされはかとたのいなはおとつれて　あしのまろやにあきかせそふく

嵐吹く三室の山のもみぢ葉は　竜田の川の錦なりけり あらしふくみむろのやまのもみちはは　たつたのかはのにしきなりけり

百敷や古き軒端のしのぶにも　なほ余りある昔なりけりももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり

秋風にたなびく雲のたえ間より　漏れ出づる月の影のさやけさ あきかせにたなひくくものたえまより　もれいつるつきのかけのさやけさ

高砂の尾の上の桜咲きにけり　外山のかすみ立たずもあらなむ たかさこのをのへのさくらさきにけり　とやまのかすみたたすもあらなむ

憂かりける人を初瀬の山おろしよ　激しかれとは祈らぬものを うかりけるひとをはつせのやまおろしよ　はけしかれとはいのらぬものを