そして「彼女」は遂に「辿り着いた」。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「秋元なつき」の最も深く遠い「最奥」に隠された「秘密」。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「この世界」で遠縁の作家と親友以外に知る事も明かす事も無かった「秘密」。 　　　　　　　　　　　　　　少女の「真名」と「それ」が「意味するもの」を。

「アレ」は「検索」だの「DL」だの「特定」などといった機能を有するそんじょそこらのコンピューターなどとは訳が違う。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　様々な（色んな意味での）「アップデート」を経て今やボタン押すどころか「自身」の「判断」で電脳領域からヒトどころか、コンピュータどころか、世界にすら「干渉」し「どうとでも出来る」という恐るべき「何か」と化した機械仕掛けの「化物」なのである。

だが、と秋元なつきは考える。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本当にそれだけなのか、と。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もしあの「少女」の「あれ」が逆神という存在に向けたものであるとするのならば本当に「それ」だけであるのだろうかと。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まだ「何か」が「有る」のでは無いのだろうかと。

長らく消息どころか生存すら絶望しすらされていた「少女」はある時消えた時同様に突如としてその姿を現した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だが本当に「奇妙」であったのは漸くに帰還し、惜しくもその後亡くなってしまった以降に徐々に明らかとなった諸々の「事実」であった。

「日本国副大統領」にして「内閣官房長官」。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして「内閣情報調査室（CIRO）室長」でもあるこの少女。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その正体こそかの「七忍」と同じ里出身の「クノイチ」。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その可愛らしい容姿と年齢からは想像が付かぬ程の脅威の身体能力と戦闘技術、更にあらゆる知識や情報に精通する程の才覚を有している。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だから五百年以上前の今や殆どの者達から忘れ去られた「出来事」であろうともその頭脳にはしっかりと「それ」がインプットされていた。

「秋元なつき」という存在はある意味「彼女」似ていた。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「相田かれい」という存在の傍らに常に控え、決して目立たず、さりとて決して只の「添え物」に甘んじず。 かれいという存在を上に上げる為に、引き立たせる為に、「日向」に、そして「影」に立ち回る存在。 　　　　　「彼女」とはその「境遇」も、「性質」も、何より「動機」も異なるが、「自分」が「どうあるべきか」を理解し、「どうすべきか」を考え、そして「実行する」という点においてとても、とても似通っていたと言える。 　そんなある意味自分に近いしき存在を相手に優位に立つにはどうしたらいいか。 　　　　　　　　　　　　　　それはより一層相手の事を深く理解し、その「奥」の「奥」の、そのまた「奥」の隠された「何か」を見つけ、「それ」を暴く事である。 　　　　　　　　　　　　　　　

なつきは傍に居たアンアンに敢えてこの「質問」を問うてみた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自分のすぐ目の前に居る少女の「母親」である彼女に対し辛辣とも言えるべきこの「質問」を。

「親友」であり、そして「上司」であるかれいの「トラブル」に黙っている「彼女」では無かった。 　　　　　その瞬間、普段教室や私生活では見せる事の無い「もうひとつの自分」と為って「彼女」――――「日本国副大統領兼大統領補佐官兼情報総局局長」が二人の間に割って入った。

【ノヴァヤゼムリャ】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ロシア連邦アルハンゲリスク州に属する北極海に浮かぶ欧州西北東端の列島。北のセヴェルヌィ島と南のユージヌィ島で構成されている。図では開けた地形に様に見えるが全体的に山がちであり実はウラル山脈の延長部だったりする。北島の半分以上は氷河で覆われており、南島はツンドラ気候の土地。人口は約2700人で大半がロシア人だが先住民である約100名のネネツ人、約50名のアヴァール人が漁業やホッキョクグマ漁、アザラシ漁で生計を立てている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だがこの名を最も知らしめたのはソ連崩壊直前のグラスノスチ（情報公開）によって明らかにされたこの島の隠された「役割」と、そこで55年から90年まで行われてきた数多の「実験」。そして――――――

「これ」であろう。

もしこの場に誰もいなかったとしたら間違い無く「少女」は「彼女」を「どうかする」かもしれない。 　　　　そう思わせる程に今の「少女」の中には凡そ同世代の「少女」が考えもしない様などす黒い「何か」にその「心」が支配されかけていた。

新たなる未知の出会いに人は不安を、そしてそれ以上の喜びを覚えるもの。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そしてそれが自分にとって良きものと感じたのならば実に僥倖な事である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その者が無垢であるのならばそれこそ尚更に。

秋元なつきにはふと「ある疑念」が脳裏を過った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そんな「宿主」の「心理」に彼女のスタンドである「満開☆スマイル」こと星空みゆきはなつきとコンタクトする。

初めて春野はるかさんのサンタガールイラスト、描きました。春野はるかさん超かわいいです。

「出会い」は最初「それ」はもう最悪極まりないもので、その後も毎週、毎回、毎日、毎分、毎秒で「何事」かに巻き込まれてはそれはそれはもう踏んだり蹴ったりの連続であった。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　しかし「それ」も「今」となっては振り返って懐かしむ程度には自分の中で受け入れられる位には「彼女達」の中で既に得難い「経験」なり「思い出」として「今」の「彼女達」を構成する「血肉」なり「記憶」となっていた（感覚麻痺？　ストックホルム症候群？　ﾅﾝﾉｺﾄｶﾅｰ?w） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　逆神には決して言いはしないが、「今」や「ナイトメア」の者達も、そして何より逆神も「彼女達」にとって強い「キズナ」を感じる「好敵手（とも）」であり「仲間」であり「家族」なのだ。

少女にとって「その存在」は他の誰よりもある意味最も手強い相手であると言えた。 　　　　　　　　　　　　日本政府の「表」と「裏」の「台所」を実質取り仕切る「それ」を御せずしてこの極東の島国に「楔」を打ち込む事は容易では無い。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　故にこの「対峙」は他の誰とよりも「必然」なものであり、決して避けては通れぬ「障害」であるのだ。

「彼女達」、特にかれいは自分の「立場上」、自分の周囲に居る者の「経歴」はしっかりと行っている（主になつきにより） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　確かに情報収集能力においては五百年前より「この国」は格段に進歩したのではあるのだが、それでも十全であるとは言い難い。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　特に「異世界」、こと「特権階級」による専横や「異種族」への差別、そして排外主義が横行し、事実上ほぼ「鎖国状態」にある現在の「魔法界」に関しては「此方」に居る「関係者」からの聴取によってのみしか情報が入らない状況にある。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だから「彼女達」はここで初めて「この二人」の「関係」を「察し」たのであった。

「相田かれい」に続く二人目の「未来人」である少女。かれいの親友にして懐刀という所謂「直江兼続」や「片倉景綱」「白洲次郎」の様な存在。「春野はるか」や「秋元こまち」の血を受け継ぐ生粋の「植物系プリキュア」のサラブレッドで当代の「キュアフローラ」（無論グランプリンセス）である。親族に「ネオオカヤマ」の最強ニンジャ集団「ニンジャコンバット七人衆」の一人である「忍道~秋」が居る事から分かる様に彼女自身も「ニンジャ特性」を持っており、実は数年前まで政権与党だった「自自党」が起こした「ウォーターロード事件」（※）をマスコミにリークし時の政権を総辞職に追い込み、無政党のかれいを総理大臣に押し上げた陰の立役者である。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（※）自自党水道橋事務所を舞台にした一大疑獄事件。なつきは事務所に十数台の盗聴マイクやカメラを仕込む事で確固たる証拠を掴み、それを大手マスコミやYouTube、ニコニコ動画に流した。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　プリキュアとしての「戦闘力」こそかれい同様然程無いが、対人類の戦闘スペックはかなり高い。「ニンジャスキル」の「隠密」「変装」「情報収集」「工作」「暗殺」もカンスト済みである。しかもスタンド使いとして後述する「スマイル組」のリーダーであった「満開スマイル」をスタンドとして擁しておりその点ではかれいより戦闘面では特化している。

それで言うならこの相田かれいと秋元なつきも負けてはいない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何せ未来世界の「永田町」である「謎市」において「海千山千の政治世界の妖怪共」や「新夕凪市」に巣食う文字通りの化物共である逆神達「ナイトメア」、過去世界の歩くゲッター腺重汚染源こと”あの”ＳＳ組を始めとする「プリキュア及びその関係者達」と（色んな意味で）「交流」してきた「経験」は決して、本当に伊達では無いのだ（迫真）