いやぁ才能あるよ君ぃ気に入ったよ pixiv版：https://www.pixiv.net/artworks/89203103

無限の可能性と才能あるもの達がいる恐怖

砂糖菓子西へ己を送る 北海道ケーキ工場でケーキと一緒に梱包予定の砂糖菓子。目覚まし時計を早めに設定していたけどうっかり二度寝してしまう。出荷トラックのエンジン音で目を覚ますが後の祭り。「はい、そうですか」と配送を見送るわけにもいかず先回り。なまらがんばれば、出荷先までの道のりの差が縮まると信じて走る。その様子を昼間の工場内でヒグマの工場長が腕を組み首をかしげて見ていた。「なしてあいつあわててどこ走って行くんだ？」出荷予定日は明日だというのにあわてて飛び出し惨憺苦労する配送物語が今始まるのである。 まーそれはさておき。九州の呼子（よぶこ）という町では十姉妹の四姉妹が年末にイカ焼売の商売に取り組んでいた。海外研修にきて甲斐甲斐しく従事する事情がある。故郷のマサチューセッツ州界隈の河口でイカ加工業が盛んになり、研修期間がいかんなく済めば早く役職に就ける。そのお仕舞いの日まで懸命に働き終始待つ十姉妹四姉妹。ついに明日が期間終了の期末に決まった。若く才能ある十姉妹四姉妹は明日届くケーキがこれまでのお祝いではなくこれからの追々続いていく契機だと思い、窓の外に見える細雪を眺め目を細める。 一方砂糖菓子は悠々と独走していたが夕方がたがきて寂しくなり、そりの合う隣の飼い馴らした鹿を連れて、予定していた羊の体裁縫したようなふわふわの雪山を登っていた。更にさらさらの粉みたいな雪はスキーに最適なので、突風を追い風にして一気に滑り降りる勢いで目的地まで飛んでゆくのであった。 ≪突飛風方程式≫ （揚力＋抵抗÷算出）×鹿２（に）乗∴（ゆえに）術（すべ）√＝空も飛べる！ 飛行中天星輝く中。頭の上上の空気付く自分しかいない。視界に鹿いない。頭の下としたら仕方がない。――温泉入り運よく命に別状なく。否。恋結ばれ鹿と馬があう。鼻から向こうが先鞭つけて、宣言告げて、一緒にせんべい屋継げて営む。横から渡り歩いてきたカニ見える運命の糸その場で馬鹿にせずはにかんで祝いの言葉詰め挟む。 空を飛ぶ砂糖菓子は目的地を通り過ぎ南下。なんとなく俯瞰でふと想う。このまま飛び続けたらどこへ行くのだろう。目が何か大きな陸でいっぱいになる。砂糖菓子の粉骨砕身が渦巻いて、季節外れのモーニンググローリー現れた。