【チェルノブイリ原子力発電所事故】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　旧ソ時代のウクライナ・ソビエト（現ウクライナ共和国）のキエフ州プリピャチにあった「チェルノブイリ原子力発電所」で1986年4月26日の午前1時23分（モスクワ標準時）に起きた史上最大にして最悪の原子力事故。本所で使用していた「黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉」を使った試験運用中に原子炉内の炉心棒が融解を起こしたせいで制御を失い暴走。結果原子炉が爆発し多量の放射能を帯びた所謂「死の灰」がウクライナだけでなく偏西風に乗って周辺国、更に欧州にまで降り注ぎ事故直後の時点で33名、そこから更に増え約四千人の死者（ソ連発表）が出たとしている（最終的に数万単位の死者が出たという説も）。それ以上に放射能汚染（俗にいう原爆病）による被爆者の数や土地を追われた被災者の数は数百万にも上る。現在当地は決死の消火作業や2000トンにも及ぶ鉛投下、更に多量のコンクリートを使って炉心を封印する「石棺」建設で被害を抑える事に「一応」成功したものの2021年現在も重度の放射能汚染下にあり防護服を着なければならない程に危険な状態であり、今も発電所のあったプリピャチの町はウクライナ政府により封鎖されており完全なゴーストタウンと化している（立入は要許可。更に「自己責任」）。そして500年経った「未来」でも未だに封鎖状態は続いており定期的にウクライナ政府がEUやIAEA（国際原子力機関）と共同で監視と「石棺」の補修を行っている。放射能に対する対抗策としてドイツで開発された「ニュートロンジャマー」等の試験運用も並行して継続されてるが、それでも当地が完全に汚染状態が解消されるにはそれこそ最大で数万単位の年数が必要になるだろうという分析がされている。