意かな天才科学者と言えど畑違いの「魔法」に関しては未だ門外漢。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それでもキリコやその親族達から得たデータにより大まかな部分に於いて掴めている部分もある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何よりミユキは本来の自身のベースたる「魔法」に新たに習得した「科学」の要素を取り入れた「手段」を用いている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なればこそゆっきーにはまだ彼女に「付け入る隙」が遺されていると言えた。

元「ポリっと！プリキュア」リーダーにして現在の新生「ブルーフィクサー 」指揮官である「キュアスナイパー」こと「雑賀真己」。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その別の顔として日本古豪の傭兵集団「雑賀衆」の現頭領にして「財団XXX」のCEOというそれぞれの「肩書」を持っている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　主にその表には出せない別の顔こそ実は今の彼女にとって非常に有用に働いており、組織力や戦闘力、実戦経験に於いて前「ブルーフィクサー」より遥かに後塵を拝している彼女達、ひいては大きく国力や威信を損なってしまっている「ブルースカイ王国」を支えるに必要且つ重要な役割を担っていた。

ある者は戦災に追われ、ある者は貧困から逃れる為に、ある者は己の夢を実現する為に。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それぞれ「理由」は様々だが、「今の場所」を離れてまで「新たな世界（NewFrontier）」でリスタートしようとする者達はこの国にも、そして海を越えた大陸に於いても多く存在する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だが、そうまでして渡った先で「夢」を叶え、「幸福」を享受できる者はほんの一握りに過ぎない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　殆どの者は冷酷な「現実」というものに押し潰され、失意と落胆に打ちのめされてしまうのが悲しいかな常なのである。

この場に於いては己の「力」で無力な存在でしか無いのは彼女も分かっている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いや、だからこそその無力さを噛み締めさせんと彼女は目の前の存在をあからさまに詰り倒そうとする。