彼女は「悔しかった」。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　悔しくて、悔しくて、今にも「対話（なぐり）」かかりそうになりそうだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だが、今の自分にその「資格」は無い。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　事実「その通り」なのだから言い返す事すら出来ない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「あれ」から幾年も経ち、「力」も「地位」も「畏敬の念」も手に入れたが、それらですらこの場に於いては何の役にも立たない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ああ、やはり自分は「あれ」から何も成長していない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つくづく未だに「弱い存在」のままなのだと彼女は自己嫌悪に陥っていた。

ミユキの「調査」の範囲に於いてこのゆっきーという存在はこの場に居る他の誰よりも「メルヘン」や「ファンタジー」とは全く真逆の者であるという「認識」であった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　如何に遠い遠い先祖に「光の園」の者に見出された「起源にして頂点」の一角であった「キュアホワイト」こと「雪城ほのか」を祖に持つ彼女であろうとも。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だからそれから予想以上に大きく「逸脱」した彼女のその言動にミユキはただただ見た風体以上に少女は「驚嘆」していた。

「餅は餅屋」という言葉がある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　如何に科学の神ならぬ魔神に愛された「狂気の才女」とはいえ、流石に門外漢の「魔導」に関しては「ズブの素人」である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　なので彼女はその足りない知識を補うべくこの場に於いて最も「魔導」に精通しているこのクラスでスマイル組（ビューティ以外）と並ぶ「おバカちゃん」に問うた。