今回紹介するのは、俺ら特殊状況対策室が主に使う覆面パトカーだ。 　特殊状況対策室OCTSSD（Organization corresponding to the special situation and disaster、正式には特殊状況災害対応組織）は通常警察理力の他幻想郷特有の非現実的な災害状況に対処するために設立された部署で、M.M.D.設立までは博麗神社と協力して幻想郷、ひいてはその周辺地域を守ってきた伝統を持つ。 　しかし対策室の体質が「現実」よりである上、装備の面からも「幻想」への対処は博麗神社への依存が高すぎることから十分な行動をとれているとは言えず、より協力かつ双方向でニュートラルに行動できるM.M.D.編成以後はそのサポートを中心に行う形に落ち着いている。 　しかし、完全に伝統を失ったわけでは当然なく、「幻想」的状況災害に際してもその初動で行動し未然に防ぐことが必要なことから、重要性は決して失われていない。 　 　同室の保持する覆面パトカーは日産フーガを極限までチューンナップした特別仕様車であり、4.5リットルエンジンで400馬力前後を叩き出すちょっとしたスポーツカー並みの性能を誇る。 　車内助手席側には小型化されたPC類が積載され、必要に応じて光学キーボードで操作・情報の取り出しが可能。回転灯などは大型の空力配慮型LEDタイプを装備し、使わない場合はモーフシステムで収納する。 　車内環境を厳格に管理するエアフィルターも装備されており、もちろん防弾性も完備。そしてトランクには対AT用ライフルなどの重火器を備えるなど、ほぼ走る前線基地と言っても過言ではない。 　このフーガは対策室用にただ一台だけ試作されたモデルであり、通常の刑事たちが使用する覆面パトカーはもちろんこのレベルよりも数段劣るものとなっている。