昼間に「星々」が見えぬのは「この星」に最も近いあの燃え滾る「焔の星」の強い光によって遮られているからに他ならない。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だが今「少女」の頭上には遍く「星」が散らばり色彩鮮やかにこの白き曇天の廃墟を照らす。 　　　　　　　　しかし「それら」は「彼女」が創り出した「贋物」の「星」。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その数多の偽りの輝きは瞬く間に「少女」に向かって集約し―――――

ジオン公国の英雄シャア・アズナブル。またの名を赤い彗星。本名はキャスバル・レム・ダイクン。ジオン国建国者ジオン・ズム・ダイクンの長男である。彼は必ず登場ＭＳを赤くしていた。ジオングと百式と言う例外はあるが。 だがなぜ彼は赤にしていたのか。あれは復讐と覚悟の色ではないかと俺は思う。彼は父ジオンをザビ家に殺されたのだ。父親を失った悲しみはなんとなくわかる気がする。父を殺し、父の理念を捻じ曲げ、父が作った祖国を歪めたザビ家に復讐を誓ったキャスバルはシャア・アズナブルと言う偽名を持って歪んでしまった祖国に潜り込み復讐の機会をうかがっていた。 彼が「赤」をパーソナルカラーにしたのはザビ家に対する自分の心の中に燃え滾る復讐の炎の色であり、そして復讐の為に自ら戦争に身を投じて自信を血まみれにする覚悟を決めるためにあの色にしたのではないかと俺は思う。 そして独立戦争でザビ家は滅び彼の復讐は終わった。だが後のグリプス戦役で彼は地球連邦の腐敗に絶望し、ダイクンの子供としてスペースノイドを本当に救うべくネオ・ジオンを乗っ取って今度は地球滅亡とアースノイド抹殺を企んだ。彼が自分専用機サザビーの赤い色は腐敗したアースノイドを焼き払う炎であり再び殺戮で血まみれになる覚悟の色では無かったのか・・・それは誰にもわからない・・・