銀鯨は現場到着と同時にその能力をフル発動、アクティブステルスとレーダー波阻害性フォノンディスチャージャーを展開して第１自衛警備艦隊を救出。一切の追撃を許すことなく現場海域を離脱した。 　しかし、第一艦隊の被った被害は大きく、戦闘能力で67%の損失。死傷者は93名、うち21人が行方不明となる惨状であった。 利根「すまぬ……直人。お主から預かった大切な部下たちを死なせてしまった……私が最悪の事態を予見していなかったばかりに……連れて帰ってくることが、出来なかった……」 直人「いかなる事情があれ、損害が出た上に死者も避けられなかったのは指揮官であるお前の責任だ。処罰は免れまい」 大鯨「そんな言い方は……利根様はあの状況でベストを尽くされました、それがなければ被害は更に大きくなっていたはずです！」 直人「そんなものを慮ったところで事実は変わらん。正体不明の第三者の行動を許し、相手に攻撃される隙を晒したこと自体がミスなんだ。それは利根自身が一番分かっていることだ」 大鯨「……そうでしたね……そして、利根様の痛みを誰よりもともに感じているのは、貴方ですものね……」 直人「利根、現時点を持ってお前を第一自衛警備艦隊指揮官の任から外す。同時に同艦隊の旗艦を「とね」から「銀鯨」に変更、指揮権は私がとる。利根には引き続き「利根」の艦長を受け持ってもらう。これまで以上にこき使うから覚悟しておけ。それがお前への罰だ、いいな」 利根「……相変わらず甘い漢じゃ。海斗とは大違いじゃ」 大鯨「……しかし、この時点においても陛下から何のアクションもないのはなんででしょう？」 直人「おそらく大統領側の思惑があって行動を起こせない事態になっている可能性がある。いまだ各方面に発言力がある陛下が動かれると非常に困るからな」 オペレーター「緊急通信回線に入電を確認、非常に強いアクセス権限を持つアカウントからの通信です。本艦のシャットダウンを無効化したうえでネットワークを通じ、他の自衛海軍全艦隊に送信されています。アカウント名は……「睦月」」 大鯨「!!!睦月皇后陛下?!」 天皇陛下「ちゃんと映ってる？……全海軍関係者の皆さん、こんにちは。私の話を聞いてください」

博士「……椎名、陛下からの緊急放送だ。海軍の全アカウント、全回線を通じて矯正解放されてる！」 心実「ええ？それって、海軍全体の統括者よりも更に上のアカウントじゃないと出来ないはずじゃ？」 博士「可能だとすれば……睦月皇后陛下。彼女は旧海軍時代からの緊急事態体制案件にアクセスする権限を持っている」 陛下「まず、現時点で発生している緊張状態に大して私の対応が大幅に遅れてしまったため、犠牲と被害が出てしまったことを皆さんにお詫びします。私はこの78時間、日本共和国大統領親派の組織により事実上の軟禁状態にあり、対処できない状態だったのです。しかし、ここにいる睦月が身の犠牲を顧みずにこれを「殲滅」してくれたおかげで、こうして日の元に戻ることができました。 私の身柄は現在「高天原」に移されており、完全に安全な状態が保たれています。まずはその事を皆さんにお知らせさせていただきます。 次に、九州方面での緊張状態についての説明ですが、自衛海軍本部に記録されている兵装管理データを参照する限り、九州艦隊への攻撃とみられるミサイルの発射に際するデータは確認されませんでした。我が軍は彼らへの攻撃を行ってはいません。 そして直前に彼らへの強行偵察を行った可変戦闘機についても、同様に記録の参照を行い行動履歴がないことを確認しています。また、「とね」が入手した映像記録からこの戦闘機は既に登録の抹消されている廃棄処分された期待のものであることが判明しており、現在その出処を追跡している状態です。 また、先んじて九州側へと出動していた常駐護衛艦隊、そしてそれらに対し艦隊を離れて先んじていた第１自衛警備艦隊所属「むとう」の行動についても不可解な部分が多く、現在調査を行っている最中です。 これらの九州側への「挑発」は明らかに我が軍の仕業であると偽装された上で実行されました。現に九州側は報復攻撃を行い、これによって第１自衛警備艦隊は多大な損害を余儀なくされています。 しかし、大切なことはこれが誰によって引き起こされたのかということ。誰がそれを望むのかということです。我が自衛海軍の皆さんには、どうか己の存在意義を尊重した慎重な行動をお願いしたいと思います。 なお、大統領は急病により役職を辞任すると表明しました」

　どういう偏見化、睦月は自分よりデカい砲を振り回す印象がありまして^^； 　試しにやってみたらあら不思議、似合うじゃないですかw 　睦月はF3適合の艦娘ですが、個人の意思でF2のままとなっています。 　これは現状F2でさえ自身の能力は過剰（皇室は自衛軍以外に個別に防衛隊を持っているため）であり、これ以上の能力向上は陛下にとって逆に毒になるという考えによるもの。 　如月の様の常に最前線に赴いて戦う立場ではない以上、F3への換装はほぼ無意味なものであるという事もあります。

銅板で作成しました。 デザインは皇后陛下喜寿記念硬貨の鳳凰です。