知らなくていいコト を含むイラストが 6 件見つかりました ( 1 - 6 件目を表示 ) タグで検索
あれは今日みたいに肌寒い冬の日のことだった。その日は朝から曇り空で、雪や霧で視界も悪かった。私が朝の町を歩いていると、路地の方からキィィンと金属音が響いた。労働者が外に置いたままにしていた工具でも落ちたのだろうかと思ったんだが、だんだん音が増えてきたんだ。私は興味本位で音のするほうへ向かったんだ。すると、そこには見たこともない化け物が居たんだ。フードを被った死神のようなやつだ。私は死を悟ったよ。この世のものじゃない化け物を見てしまったんだ。私は殺される。そう思った次の瞬間だ。化け物が何か火の玉みたいなものに吹き飛ばされたんだ!私には何が起こったのか理解できなかった。私は化け物が離れた隙に物影に隠れた。すると、さっきまで私がいた場所に黒い犬が現れたんだ。でもその犬も普通じゃなかったんだ。足音はカン、カン…ってしていて、体は光沢を放っていて、光る眼と耳、尻尾の先に三日月のような何かと赤い球。そう、その犬は機械だったんだ!起き上がった化け物は両手の鋭利な爪でその機械の犬に襲い掛かった。機械の犬は尻尾の先を化け物に向けると、球から火の玉を出した。まるで魔法使いが杖で魔法を使うみたいに。先ほど化け物を吹き飛ばしたのもおそらくそれだ。化け物は怯み、犬はそのまま追撃する。口の中から剣みたいな舌を伸ばして斬りつけた。化け物はその斬撃で完全に動きを止められた。犬はとどめの一撃に今度は口から、さっき以上の火球を打ち出した。あっという間だった…。すべてが終わった後、私が来た通りの方から、紺のローブを来た子供が歩いてきた。10代半ばくらいの女の子のようだった。その子は犬の頭を撫で、こう言った。「…ケル、お疲れ様」ってね。どうやら、その女の子が機械の犬の主人らしい。莫迦な、とは思ったんだけどね。その子は魔女帽子を被っていたんだ。おそらく魔術師だ。あんな化け物もいるんだ、子供の姿の魔女だっていてもおかしくない。「こっちにいるのはこれで最後だ。そろそろ戻ろう」そういうと犬は姿を消した。去り際に私の存在に気付いた少女はこう言って去って行った。「皆には内緒だよ。今ここで起きたことは、君達は知らなくていいことなんだから」 ー【とある西洋人の日記】よりーMAYAでレンダリングしたものに少し加工を加えました。 MMDモデルはこちら→【td53526】主→【sm33901610】