街からそんなに遠くないネオヴェネツィアは常春なので、 常夏のカモメ町と並んで避寒地として人気があります。 ここはその常春の地にある、わいちゃん一族の別荘。 高台に位置しているため、遠く海を望める抜群の景観地です。 「北米一族みたいにあちこちにあるわけじゃないけど、我が家もいくつか別荘所有しているから」 「さっすがお嬢様よねえ、わいちゃん」 「うちの学校、国内外含めて別荘持ち結構いるじゃないの。ここは建物広くないから、泊りがけでくることはあんまりないんだけど」 「いやいや、庭はしっかり手入れされてるし、バーベキューやる設備もちゃんとあってすごいわよねえ」 「具材は宅配してもらって、あとは飲み物やデザート買うだけだからとってもラクチンよ。片付けもみんなでやればそんなに時間かからないし。ところで、今日のケーキはどこのお店のやつ？」 「最近オープンしたパティスリーのもの。最近、街中にケーキ屋増えてて目移りしそう」 「街にカフェ誘致する戦略があるって、うちのお隣のたこちゃんたちが言ってたわ。だとすると、今後も近所に美味しいスイーツのお店が増えそうね」 「おんちゃんの家の隣ってたこルカ飼ってるとこだっけ。街に棲んでるくりーちゃーって、どこから情報入手してくるんだろう」 「そりゃあやっぱり、私らが及ばない特殊能力みたいなのあるんじゃない？」 「たこルカなんてそこらにいるけど、みんな繋がりあるのかな」 「街に棲んでるたこルカは、たこ遊郭の遊女のぞいて全部知り合いだってたこちゃんたち言ってたわね」 「そのたこ遊郭にしても、親戚の娘いるんじゃなかった？」 「じゃあ、やっぱりみんな知り合いかもね」 「……たこルカが街の陰の支配者？」 「カワイイ顔して、陰に隠遁する能力あるっていうから、あの８本脚」 暗闇の奥であなたを見てるー♪