人外たちが集うエルフの里は、男女比率でいうとだいたい3.5対6.5くらいなのですが、 甘いものも辛いものも大好きな女性が多いので、あらくれ者のイメージ漂う酒場もともすれば 女子会状態になっていることが少なくありません。 「ちょっと、ルイザ司祭。あんた飲みすぎじゃないの？」 「だーいじょうぶよ、シスター・アイリス。昨日は日曜礼拝でみっちり仕事をこなしたんだから、休日くらいハメを外しちゃってもいいじゃない」 「明日は午前中から礼拝あるんでしょ？　これからの夏の行事は神社主体のイベント中心だとしても、あちらが忙しい隙に信者獲得へ私たちが踏ん張らなきゃ」 「何のためにシスター・Ａ子を留守番に残したと思うのよ。ああ、キンキンに冷やして氷を浮かべた葡萄酒最高！　もう一杯もらってこなきゃね」 「まったく、Ａ子へのお土産、たこルカフェのケーキぐらいじゃすまなくなるわよ？」 「ああ、あとシスター・アイリス。肉料理もいいけど、口直しにそこの八百屋でなんか果物見繕ってきてちょうだい」 「ここの立ち飲み酒場は外部からの持ち込み禁止だけど、隣の八百屋で買ったものだけは例外だったわね」 「そう、ここの建物の店は半官半民で経営トップはレア様ってことになってるから、融通が利くのよね」 「で、何がいいの、今が旬のさくらんぼやプラム、それともりんごや葡萄？」 「シスターにまかせるわよ、あ、財布はとりあえず立て替えておいて」 「あんた、ますます堕天使ぶりに磨きがかかってるわねえ」 「なーに言ってるの、こんなに敬虔な聖女の私を捕まえて、さすが悪魔やってるだけあるわ、シスター・アイリス」 「悪魔ならぬ魔族は種族名であって、堕落とは関係ないわよ」 「そう？　まあ、いいからもっと飲みましょ」 今日も悪魔教会は平和ですｗ

ホッピーかレモンサワー！！