終わりの始まり を含むイラストが 332 件見つかりました ( 281 - 300 件目を表示 ) タグで検索
広がる青い空、白く棚引く雲、優しく照らす陽の光。 されど彼女の身は此処に在れど、心は此処に非ず。 それはまるで帆を失い、舵を失い、櫂すら失い、当て所無く水面を漂う一艘の小舟の様に。
彼女には少女の気持ちが良く分かっていた。痛い程に。 彼女「達」は同じ水晶から生まれた「モノ」。 彼女「達」は「個」であり「全」。「全」にして「個」の存在。 故にダークエンド達よりも、テンダーよりも自分の事を、何より相手の事を良く理解出来た。 同じ肉の器から生まれながら互いを、何より自分を理解し得ないヒト共とは対照的に。 が、今彼女が少女に対して思うこの願いは、何も少女の為だけなのかというと必ずしもそうとは限らなかった。 故郷(くに)を持たず、寄るべき場所(ち)を持たず、ただ安易に生み出されてしまった存在の自分達にとり頼れるべき存在は、この少女しかいなかった。 このか細い体ながら歴戦の戦士達すら畏怖させる存在であるこの御方しか。 これは敬意とか忠節などという上等なものでは無い。 ましてや愛などという口にする事すら烏滸がましい、そんな大それたものなどでは決して無い。 これは彼女にとって自らの為のエゴイズムに過ぎない。 自分達が此処に在る為に少女の存在が必要という、それだけの理由だ。 その為に少女の存在を利用しているに過ぎない。 そんな下種で矮小な自分だからこそ、いつ滅びても構わない。そう彼女は心に誓っていた。 少女を利用し自分を存在意義を得んとする自分こそ真っ先にそうしなければならないと。 この虚ろなる猫は考えていた。
【現在のダーク極進会】 ▽ 昨年末の所謂「”終わりの始まり”事件」後に逆神達ナイトメアにより西暦2507年代に連れて来られた「ダーク極進会」一同は逆神達が本拠を置く「ナイトメアコーポ」に移住し、同所に同居中の未来のキュアアクアにして元東堂ナンバーズ№500である内閣総理大臣・相田かれいの計らいで戸籍を与えられ、この時代に住む事になった。とは言え現状共存関係にある超大国ブルースカイ王国や異次元世界のラビリンス共和国、新生プリキュア5や敵対関係にあるものの脅威にすらならないパープルヘイズとは異なり未だ完全に服属したとは言い難い彼女達をこのままにはしておけないというかれいやカワリーノ達の意見もあり「ダークエンドキャッチ!プリキュア」と「シャドームーンテンダー」はナイトメアの、「ダーク極進会」中枢の三人はかれいの管理下に置かれ、現在彼女達はかれいの要請により某海域において「極秘任務」に就いている。 【簡単に説明する西暦2508年現在の国内・国際情勢】 ▽ 本編で断片的に語られている所によると現在の日本は20世紀末からの少子高齢化の影響で大幅に人口を減らし、最盛期の半分以下にまで低下している。それによる国力の低下を防ぐべく国は労働人口確保の為に労働法や刑法、選挙法等の年齢制限の撤廃や民間企業の国家事業への関与を促進させる。国家元首も直接選挙により選ばれ、それにより才能や人望があれば何歳でも総理大臣になる事が可能となった。一方世界情勢は21世紀初頭からの世界各地の紛争や22世紀初頭の中国のバブル崩壊により一層混迷化の一途を辿る。米・中・露の三大超大国は国内部の派閥や民族対立により分裂化し、EUは英国の離脱を期に独仏両国の派閥争いが激化し有名無実化。中東は石油資源枯渇により一部の早期に石油依存から脱却した国家以外が経済破綻。アフリカ・南米が悪い意味で安定という情勢。そんな旧来の大国が衰退する中、ここ200年あまりで勢力を拡大し、今や超大国として世界の安全保障と経済を左右する存在こそ皆さん御存知ブルースカイ王国である。
だからこそ「彼女」は「この刻」を待っていた。 「これまで」を「終わらせる」為の「始まり」の「この刻」を。 「これから」を「始める」為の「終わり」の「この刻」を。 もう二度と「彼」や「彼女」の時の様な「終わり」などにさせない為に。
そして遂に「それ」はこの世界に産まれ堕ちてしまった。 この世界の何者も、創造者(ハハオヤ)も、誰からも望まれ無い「破滅(ルイン)」の「忌子(コ)」として。
何かが死を迎える瞬間は、何かが生まれる瞬間と背中合わせ 恐れを手放して、生への願望を空虚な必然性から解き放って… *-*-* クレジット *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* モデル:切な顔P ポーズ:自作 アクセサリ:わにあういる(改変) エフェクト:ビームマンP、おたもん ツール:MMD、MME ※敬称略
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伝わって来る。自分の中に。 彼女の思いが。苦悩が。覚悟が。そして”愛”が。 当然だ。彼女は自分にとってもう一つの自分なのであり、姉妹なのであり、同胞(はらから)なのだから。 それを同じように苦しくも思う。また悲しくも思う。 だがそれ以上に、不謹慎ではあるのだが嬉しく思う自分がいるのも確かなのだ。 あの道化の下らぬ理由で生み出され、あっという間にその存在理由を失ってしまったモノとして、自分達はこれから如何にすべきか。 今はその問いに対する答えを模索する途上だ。 その姿が彼女に要らぬ不安を与えてしまったとしたら、それこそ自分の至らぬ点だと少女は自嘲する。 だが今には直ぐにその答えを得られそうにない。 だからこうして彼女は今、此処にいる。 取り敢えず与えられた「目的」を果たす為に、此処にいる。 自分を必要とする彼女の思いを拠り所とし、それを今の自分の存在意義としながら。