では、腫れ物諸君――

しょうがないよね

とある小さな街で愛された少女がいた。 彼女が挨拶をすればみな笑顔になり彼女を嫌う者は街にいなかった…という。 少女が12の歳を迎えた時に彼女の身に大きな変化が起きた。1,000の翼が、1,000の羽が生えたのだ。 それは神が彼女を寵愛し、あらゆる化身となる物の翼を彼女が人々に愛された分与えたものだった。 …しかし12になったばかりにただの娘にその背中に生えた寵愛は錘でしかなかった。 彼女は重いその翼を引きずり歩くようになった。 それを見て哀れんだ街の人々が背中にあらゆる薬を塗り、祈り、どんな捧げをしてもその翼は消えることはなく、時が過ぎるほど少女はどんどん腫れ物ののように見られるようになり、光り輝いた1,000枚もの翼は腐敗していく。 少女が与えられた1,000もの翼のほとんどが溶けて混ざり合って一つの大きな異形の翼に変化したそれを人々は口揃えて言う。 「千翼は呪いであった」と。