茶番は終わりだ を含むイラストが 2 件見つかりました ( 1 - 2 件目を表示 ) タグで検索

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お菓子をよこせ

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「…ここ…は?」激しい痛みに目を覚ます。 あの時、私は確かに空から落ちた。ならば、ここは死後の世界だろうか。思考がぼんやりとしていて追いつかない。辺りには、ただ一面の闇が広がっている。刹那、何もなかった筈の虚空に、鮮明な映像が浮かび上がる。傷つき、息も絶え絶えになりながら戦う少女たちの姿が。「…かつて、私も戦った。彼女たちのように」 そこに、男の低い声が響く。懐かしい、けれど、かつての優しさを失った、ひどく冷淡な声。「だが、勝てなかった。己の無力さが故に。そして最も大切な者を奪われた」 声は足音と共に段々と近くなり、やがて私の前にその姿を現した。 怪異と化した母を伴って。「故に、私は願った。 菫の再生を。 強大な力を。 …そして、この世界の変革を。 万物は渾沌の中で混じり合い、新たな世界の糧となる。 そこには、生者も死者もない。 痛みも、苦しみも。 人々は幸福な幻想の中で生き続けるだろう…永遠に」 滔々と歪んだ理想を語る父。 その顔には、やはり感情というものが見られない。 父の言う“強大な力”は、その代償として彼の心を奪ってしまったらしい。 「…お前の連れてきた仲間たちも、そう長くは持つまい。 奴に傷一つ負わせることも出来ず、死んでゆくだろう。 お前の甘く、浅はかな目論見によって、だ」冷酷な現実を突き付けられ、私はたまらず俯く。無辜の民を救おうと、私は今まで躍起になってきた。 …だが、結局は誰一人救えなかった。 自分の大切な部下も、無関係な人間すらも巻き込んで。 そんな無力で無責任な自分が、これ以上ないほどに情けなく思えた。 「…茶番は終わりだ。 共に来い、柊。 新たな世界の創造を、我々の手で成し遂げるのだ」 そう言い差し伸べられた父の手を、私は虚ろな目でじっと見る。 受け入れれば、彼の言う通り、永遠の安息が手に入るのかも知れない。 「私、は…」 次→im11160148 前→im11112218 最初→im10758499

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