カーネイジ：大虐殺の意味 Pixiv→ https://www.pixiv.net/artworks/90471771 Twitter→ https://twitter.com/jitter_k/status/1400391828474523648?s=20

　空色駅広場に待機していたガンヘッドが甲高い空襲警報を発する。 　それは紛れもなく対空驚異の接近を意味していた。 ；「航空熱源確認、総数７。低空侵入。速度からヘリコプターによる攻撃と判断できます。ガス兵器の散布を行うつもりのようです」 ソリッド「いきなり禁断の無差別攻撃かいっ！一体どんだけ「お魚」が憎いんだ、あいつらは!!ユニット各位、打ち合わせ通り避難誘導を実行しろ。この分だと街中に連中はいないだろうが、注意して行動するんだ！　アポストロフ、構わんからヘリに向かって威嚇射撃並びに警告を行え。同時にフォノンスフィア弾を発射、広域にフォノン粒子を散布しろ！」 ；「了解。　＜接近中の攻撃部隊に告ぐ。こちらはM,M,D,博麗神社方面隊である。直ちに「テロリズム並びにそれに準ずる虐殺行為及びそれを誘発する非合法軍事行動を停止し、投降しなさい。 君たちの行動は日本共和国制定憲法第21条「国民安全管理並びに滞在住人の保護」の項目その他諸々に抵触している。勧告の無視は諸君の命の保証放棄を意味する。直ちに投降し武装解除に応じなさい」 　警告と同時に、有効射程1200kmの自由電子レーザー「パリオス」が数秒照射。ついでより以上の射程を誇るプラズマキャノン「オーザシアン」がチャージを始める。 　次にミサイルランチャーから３発のミサイルが発射され、それぞれが市街地・居住区・繁華街上空で炸裂。緑色に光り輝く粒子を放出し、空色長全体を覆い尽くす。 ；「フォノンスフィア展開完了。以後３日間は大気中の空気洗浄効果を維持。ミサイルによる毒ガス攻撃も21秒で無効化します。」 ソリッド「毒ガスが最強足りえたのは奇襲で使うからだ。来るのがわかって対処ができりゃどうということはない。 　だが、「ガスを使う」という手段を使った以上奴らは道徳の道を踏み外した。人には影響があるなし、というのが問題なんじゃない、無差別に巻き込むようなものを使うという意図が問題なんだ。これで奴らは何をどうしようと許されることは一切なくなったというわけだ」 ；「私には理解しかねます。自ら首を絞めるようなことをするとは。私ならバレた時点で取りやめますね」 ソリッド「同感だ。」

―――とはかの戦国時代の名武将「武田信玄」の言葉ではあるが、確かに「人」という存在はある意味他の如何なる食物や鉱物、エネルギー等よりも貴重な「資源」であると言える。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　如何に広大な領土を持ち、豊富な天然資源を有そうとその価値を正しく理解し、それを十全に活用できる「存在」がいなけれ文字通り「宝の持ち腐れ」であるからだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　冒頭の言葉を残した信玄や彼のライバルである織田信長、そして徳川家康はこの言葉を有言実行した結果、優秀な臣下や盟友、強力な戦闘集団、潤沢な資金、整備された領地を得るに至った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　反面、その後継者達はその事への理解が及ばず、甲斐武田家は滅び、織田家は衰退し、徳川幕府は明治新政府によって倒された。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　近年で言うと「大粛清」によって多くの人材を粛清した結果ドイツ軍の侵攻を許したソ連。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「文化大革命」で多くの文化的遺産を破壊し人材を外放した結果、国の発展を三十年は遅らせたという中国。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「原始共産主義」を妄信し数十万の知識人や技術者を虐殺したカンボジア。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして短絡的に一過性的な利益にのみ終始し、結果過去から現在進行形で貴重な技術や人材を失いつつある現代の「この国」が後者になる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「この世界」において良きにつけ悪しきにつけ、何事かを成すのも、また壊すのも等しく「人」のみが為し得る「業（わざ、又はカルマ）」なのである。

　「交蝕の時」以降、「現実」側の政治的首脳陣は、「幻想」の出現によって発生した摩擦に強い危機感を覚え、「幻想」と思しき存在の全てを物理的に・・・一切の融和の模索もなしに・・・排除しようと考えた。結果、ろくに武器も持ち得ない「幻想」の人々に対し、重装備で武装した兵士たちがなだれ込み、虐殺を行うという事態が発生する。　☆状況を重く見た「幻想」側の人々は「幻想入り」した物の中で有用そうなものから武具を作り、「現実」側の兵器群に対抗することとなる。　☆そのような背景もあり、「幻想」が事変終了時点まで用いていた兵器群は決して新鋭のものとは言えず、外見的には非常に古臭く、合理性も取れていない時代遅れのものが大半である。　☆しかし、投入技術には河童によるオーバーテクノロジーがふんだんに用いられ、また運用の上でも相手を出し抜く局面が多く、「幻想」の人々は「現実」側と互角以上に渡り合ったのである。　☆その最も顕著な例が幻想軍艦と呼ばれるものであり、外見上目立った補助期間も用いず飛行能力を持ち、あらゆる意味で規格外の存在だった。写真はその中でも特に名の知られている存在、左から空母「博麗」、高速戦艦「十六夜」、打撃戦艦「霧雨」、防衛戦艦「東風谷」である。