「この世界」においてミユキ程その「恩恵」を享受し、自分の「能力」を伸ばした者はそういないだろう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　彼女は「魔法界」では得られなかった膨大な知識や情報、技術に接する事で元々あった素質を更に、格段に伸ばす事の出来た存在である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その成長ぶりは先人にして最上位の存在である「魔法組」の彼女達以上に。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その中でも彼女が特に気に入ってるものの一つに「電子書籍」がある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「魔法界」に於いては分厚く、しかも定期的に虫干しをせねば腐食し傷んでしまう蔵書を「この世界」では「電子化」という手段で諸々の問題を一挙に解決しているのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今はまだ試案の段階ではあるが、もし「魔導書」を「電子化」出来ればそれまでの魔導士がいちいちバッグに入れて持ち歩いていた重たい代物を何万冊も軽々と持って歩ける。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魔法の行使も相当楽が出来るし何冊も展開出来ればそれこそ異なる種や属性の魔法も同時に発動可能になるかもしれないのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まあ魔導書自体が「力」を持ってる物もあるから全てに通用するとは限らないのだが（「禁書庫」に封印されている代物は特に）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　取り敢えず今は「この世界」のデータベース上に「死蔵」されている膨大な量の様々な「書物」を収集し自身の「書籍庫」に収蔵し、必要時に取り出し調べるのが関の山である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だがそこは流石の「ナシマホウ界」。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この様に今の彼女に必要な「情報」がいとも容易く手に入ってしまうのだから。

「ぎっくり腰って、クセになっちゃうんだね」