三度までという言葉を知らないのかよ。

拷問に掛けてる捕虜を虫けらでも見詰める様な目で見下ろしてるイメージ。 如何にも、「対した覚悟も無しにワタシらに噛み付くからこうなるよ。自業自得て言葉を知らないクズの末路は眺め心地が良いね」とでも言ってそうな…笑

チルノは妥協という言葉を知らない、馬鹿な野郎なんです。

容れ物には、"奉納儀礼用 すくうる水着"と書いてあった。 その衣と袴は伸び縮みが妙に利いており、また生地は 厚みを感じさせつつも薄く、ぴっちりとしていて。 襟は開いておらず窪んだ線が微かに入っているようで、 上下に分かれているが上は羽織るのでなく直接着るようだ。 下もまた、褌や裾のようにはなっておらず、逆三角形を模していて 同じくそのまま穿く構造になっている。 ここに私が居ることを知る者は少ないのに、これは一体？ お兄様からの贈り物、或いは私を知るお兄様の知人から、 それとも来訪者の気紛れでしょうか。 すくうる水着という言葉を知らないのは、 きっと私の勉強不足なんでしょうけど。 もうじき年明け。 何にせよ、この時期にかようなお召し物が贈られるということは、 お兄様や私に纏わる縁なのでしょう。 お兄様がこの和太里（わたり）を離れて…、この空虚のような時も もう二年を経るんですね。 那奈美は兄がいなくとも強く生きています。 私のために積み上げていただいた富のお陰で、不自由なく過ごして。 けれど那奈美は弱い妹です。 石畳をその歩で鳴らし、いつものようにこの廃神社へ帰ってくる。 そんなことを堪らず想起しては切なくなります。 ______未知の物を見かけると、 そういった土産を持ち帰ってくるお兄様に思いを馳せてしまう。 慰めるかのように…体を動かさずにはいられません。 分かっています。 私情ながら、お兄様が奪ってしまった命と、 今を生きとし生けるもののため。 今でも供養と演舞は欠かしていません。 この衣装がどのような意味を持っているとしても、誰かの望みであれば 謹んで袖を通しましょう。 嘗てここで同じように営んだ者達… これから営むかもしれない者達のために。 那奈美は、那奈美を生涯演じてみせましょう。

何度も何度も運極とばかり……他の言葉を知らないのか？

暮れ落ちた言葉を知らないなら トレス