如月「……氷華国中枢へ突入した海斗達からの連絡が途絶えて、既に2時間……他の4海域の形成が決まりつつある中、そこだけが把握できない…… 　一体、何が起こっているのだろう……海斗たちは、突入した皆は無事なのだろうか……今すぐに彼の元に行きたい。けれど、私の我儘で持ち場を離れるわけにはいかない……どうしよう?」 ???＜迷う必要などどこにもないだろう、何を躊躇う?娘よ＞ 如月「？！この、気配……ユーライア?」 ???「汝を縛るものはなく、汝の意志は繋がれていない。ならば汝は自由であるべきだ＞ 如月「跪いて……まさか、私に「乗れ」と?連れて行ってくれる、と? ……どうして、貴方は私達に、そこまでしてくれるの?貴方はこの地球を護る事が指名のはず……私達人間の行いが、この星を汚染し破壊している側面を見ても、本来なら私達を滅する事こそが貴方の役割のはずなのに……銀千代のような人間はいくらでもいる、同じ様な存在がまた生まれないとは限らない、それでも……?」 ???＜それは答えなければ伝わらない事なのか?私はもっとも単純かつ確実な方法で、私の意志を示しているつもりなのだが、それではだめなのか?＞ 如月「……そう、答えるるまでもないね……貴方は、何よりも誰よりも、人間を愛している。そして、人の善意を信じているのね……貴女がその心を失っていない以上、私達が自分で存在意義を放棄するわけにはいかないのよね……」 ???＜君は人のために十分に尽くしてくれた。今位、君自身の意志に尽くしても誰も文句は言わないさ＞ 如月「？」 ???＜さあ、願いをいってごらん。叶えてあげよう、我が娘＞ 如月「……わかったわ。お願い、ユーライア。私を海斗の元へ連れて行って」 　最も尊い願いを叶えるために、その龍は飛翔する。 Before　　im6401805 　

陸兵B「夢見たいっすね、あの島から脱出なんて……昨日の今頃は死を覚悟したモンすけど」 ヒゲ「ああ、いったんパオラ本島に退いて体勢を立て直すという事でな。戦艦一隻だが、反撃のための体制が整ったそうだ。再編成のために残った戦力を集中するんだとさ」 陸兵B「でも、うち等なんて戦力になるんすかね？死傷2割で戦力喪失だってのに、5割超えてますよ？」 ヒゲ「その辺はうまくやるんだろうさ……事次第によっちゃ一旦流楽まで戻って「相和名」統合のために大韓を叩くことも視野に入れるだろうし、小難しい事は上さんに任せるさ」 陸兵B「それにしても……あの子、元気ありませんね……」 ヒゲ「昨日の大金星の時に、随分無理したみたいだからなぁ……まぁ、巡洋艦一隻沈んだ後だ、そうそう敵がまた現れるとも限らんだろ」 陸兵D「大将ぉぉぉっ！！！敵だ！！！巡洋艦だあああ！！！」 ヒゲ「何いいいいイイっ？！？」 ヒゲ「糞ったれ!!!装備もなんもかんも捨ててきちまったから、今度こそ何にもできんぞ!!!海軍さんのこの船にある豆鉄砲でもどうにもならん!!!」 如月「……皆さんはそのまま進み、島を回り込んで離脱してください。前線基地のエリアまでいければ、護衛する艦が見えるはずです」 ヒゲ「おい、嬢ちゃん!!まさかまた……無茶だ!!使える武器は昨日全て使っちまったんだろう?!?」 如月「これが、私の役割なのです。皆さんを必ず、前線基地まで無事に届けること……敵は私がほぼ戦闘不可能な事を知りません、突出すれば貴方方を追う事は出来なくなる」 ヒゲ「ダメだ、嬢ちゃん!!一緒に帰ろう!!俺達のためにそこまでする必要はない!!」 陸兵D「戻るんだ、戻れ!!」 如月「おさらばです、皆さん……前線基地に就いたら、小場という方に伝えてください。「姉を、睦月をどうかよろしくお願いします」と……」 ヒゲ「嬢ちゃあああああああああああああん!!!」 Before　im6288350 Next　im6289541