その●気にそれまで争っていた二人は思わずハッとして「彼女」へと向き直る。

日向イェーガーは目下激しい動揺と疑念の只中に居た。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　口伝による「伝説」でしか知る事の無かった「存在」をよもやこんな東の果ての島国で目の当たりにするなど思いもよらなかったからだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それもメイジャーの者どころか「この世界の人間」ですら無い者のによって見せつけられる事になるなどとは。

文字通り凄まじい爆発的な「衝撃」をまともに受け地に倒れ伏す二人。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　全身を鋭い痛みが走り、その苦しさのあまり身動きが取れずに突っ伏していると――――

im5547177←あと3日　あと1日→im5551667 戦士名称　キュアビート 色　　　　青キュア 変身者　　黒川エレン 声優　　　豊口めぐみ 登場作品　「スイートプリキュア♪」

「前職」でイェーガーが知る「モノ」と大分「形態」は異なってこそいたが、モニターで確認したモノ、そして騎龍が「MUSE」のキュアメモリを使っているという事で彼女は「アレ」がほぼ間違い無く自分の聞いていた「モノ」を騎龍が疑似的に再現したのだろうという確証を得た。

同じ頃、メビウスの通信を聞いていた振興課＆陸送組にも動きがあった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　振興課メンバーの一人であるイェーガーが突如全車の緊急停車を上申してきたのである。

突然のイェーガーからの要請に訳が分からず問い質そうとするそでかからの問いを遮るかの様に彼女は通信機をOFFにした。

そんな苦しみ倒れる自分達の袂にゆっくり近付く「気配」に思わずハッとして二人は体を引き起こす。

【パルミエ王国】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　▽　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「Yes！プリキュア５シリーズ」に登場する妖精の国。住人はケモノ系の姿の妖精。一部の王族は人間の姿に変異する事が可能（ただし力は弱い）。過去二度に渡って「ナイトメア」（先代）、「エターナル」と二つの組織に狙われ壊滅させられたがプリキュア５によって救われる。その後当時の二人の王がその中のメンバーと結婚（！）したとかなんとか―――。一見牧歌的な国ではあるが「ドリームコレット」を始めとした超強力なオーパーツがあるなど技術的に中々侮りがたく、中でも二王の一人が開発したという「武器」や「兵装」は「核を用いてない核兵器」とすら言わしめる程の恐るべき物であると言われている。しかしそのあまりの性能から技術諸共封印され伝承上の逸話レベルにまで風化するに至っている。まーそりゃそうだｗ（汗）

確かに先程から彼女達が言う様に「この時」の逆神の勢力は凡そ勢力と呼べる程の規模には程遠いモノだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だからこそまだ御し易い異世界で活動していたというのに、未だ十分で無い状態でのこの方針転換はあまりに無謀なものである事は誰の目からも明らかであった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だからつぐみとシレーヌはそれを説いて是が非でも逆神を制そうと必死に説得を行った。

更にイェーガーは同じ課員の魔導士であるグリコによる精神診断を受ける様に要請をしてきた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　メンバーの中には医師資格を持つりっさや北恵も居るが彼女は敢えてグリコを指名してきた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その事からも「これ」は只ならぬ事態であるという事をこの場に居る誰よりも彼女は理解をしていた様であった。

逆神の口から出た「その名」を聞いてつぐみもシレーヌも思わずハッとなった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それは―――――

イェーガーのこの普段らしからぬ反応からグリコは彼女が騎龍の「アレ」が何なのかを知っているのではと推測し彼女に問うたのだが、当人はそれどころでは無いという感じで取り付く島も無い様子であった。

ここまで幾つかのプリキュア所縁の異世界を巡ってはみたものの今逆神が言った様に想像以上に資材や資産はともかく人材の確保が思った程成果をあげていないといた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まだ序盤にも関わらず冒頭からこの状況に陥ってる事に実は他ならぬ彼女が驚きと焦り、苛立ちを覚えていた。

逆神の突然のこの発言の驚きを隠せない二人。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　だが事の重大さから慌ててその判断を是正すべく彼女を説得しに掛かる。

その言葉を聞いた瞬間、二人は彼女の「覚悟」を知って全身、その心に強い衝撃を覚えた。

そしてこの少女も逆神とは違う形で「音」に精通した「国」の者。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しかも今は逆神の配下となっているイェーガーの元主にして彼女同様に「伝説の楽譜」を扱う資格を持つ王位継承権第一位という存在。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　故にこの少女も逆神同様にミユキの発した今の「言葉」に微かな「違和感」を感じていた。