犠牲者の皮を集めて鑑賞していたシリアルキラー「サトウ」と、それを着た者に超人的な能力を付与し殺人鬼に変えてしまう「兎の着ぐるみ」。この最悪の組み合わせによって、大戦後最悪と言われる連続猟奇殺人事件へと発展することになる。 ■■人目の犠牲者はその命が失われる直前に警察に通報。これまでもこうして駆け付けた警官の皮を剥いできた皮剥ぎ兎は、今回の追跡者たちの皮をどのように剥ぐか想像しながら、わざと相手に背を向けて油断を誘う。 ”着ぐるみの力があるのだ、俺に勝てる奴は誰も……” ここで彼の思考が中断した。何かがおかしい。 頷いた自分の首を振り上げることができない。 そのまま下に落ちていくのはどうしたことだ。 彼の網膜に大きな刀の血をぬぐう女が映る。 ”あいつは何を切ったんだ？” それが皮剥ぎ兎の最後の思考だった。 補遺： 刑事A：まぁ、おかげで助かったわけなんだが。せめて奴に一言くらい語らせてやっても……。いきなり後ろから突撃って……。 局長：相手は妖異で、これはアメフトじゃないの。あなた現実改変者を扱ったことは？ クレフ博士の講義を聞いたことは？ 真九郎の対応が正解なの。完璧と言っていいくらいにね。