世界選手権TT-F2（600cc）を連覇したワークス車両をほぼそのまま市販レーサー化した車両が通称「レーシングパンタ」と呼ばれるこのバイク。現在のドゥカティのアイコン”トラスフレーム””スイングアームピボットを持たずクランクケースに直付け”といった構造をこのバイクで初採用しており、現代のドゥカティ各モデルの直系の先祖と言っても良いのでは？ 鋼管トラス構造の先駆け的なビモータですらTT-F2では圧倒的軽量コンパクトなこのモデルには勝つことが出来ず、ドゥカティはこのモデルを元に750F1、水冷４バルブ851へと発展させ、ついには世界選手権ス－パーバイクで日本製４気筒バイクをことごとく下す圧倒的高性能車へと発展させました。 輝かしい栄光の原点的なこのバイク、タンクが長くて後ろ寄り（体の前後移動を考えない）で同時期の日本車と比べても乗り方考え方が全然違って興味深いですね。 ちなみにベースとなった500SLパンタは、ちょうどカジバによる会社買収と時期が重なったからなのかマイナーモデルで終わった感がありますが、そこから生まれたレーサーがドゥカティの方向性を決定づけた傑作となったのは何かいい話な気がします。