そろそろ春の息吹が聞こえてきたころですが、エルフの里周辺はまだまだ雪に閉ざされています。 里の結界のおかげで暖かい門前のクリーチャー商店街も、人間の出入りこそは少ないものの、外に遊びに出かけられない人外の里の住民たちで、それなりに賑わっています。 「おや、スターお疲れ。閉店まで頑張れよ」 「今日はロッキンちゃんが早番かあ。たこルカフェのお客の入りはどう？」 「里の皆さんが女子会とやらで盛り上がってるから、そこそこだわね。早摘みのいちごのお菓子が飛ぶように売れてる。それと、男子会と称してケーキのホール食いチャレンジなんてアホな……いえいえ、店の売り上げに貢献してくれるありがたい一行までおいでになっていて、閑散期だけどまずまず売り上げ出てるかな」 「こうやってごひいきにしてくれてるの、すごくありがたいわね。商店街もどんどん新規のお店が出店しているし、おしゃれなカフェもいろいろ進出してきてるから、うちらも頑張らないと」 「オーナーの計らいで私ら姉妹で好きにやらせてもらってるからね。うちのたこルカフェはちょっと自由すぎるのよーって、時々こぼされるけど」 「あら、でも季節商品のいちごプリンをお出ししたら、これからもおまかせするのよーって笑顔で言われちゃった」 「ある意味、たこルカらしいっちゃそうよねえ。たこルカフェでプリンを出せるお店、そんなにないらしいから」 「私たちの種族はそういう弱味というか、目がないものがあんまりないからねえ」 「本性こそが弱点説もあるけれどね」 「私たちほどなまめかしい魅惑の脚を持っている種族もそうそうないと思うけど、人間たちにはそれが伝わらないのが何とも」 魔性の美少女たち（シテヤ〇ヨ）