夕刻。 必死の奮闘により機械兵の数が減少したようにも見えるが、ゼンドラムは依然として苦戦を強いられついに最終防衛ラインまで押し込まれた。 ヒストリカは全戦力投入を指示するが、スチームパンクチェスのビショップ、ポーンが立て続けに倒され、また遠方でクイーンやナイトも苦戦を強いられていた。 「あの青いナイト、なんて強さなんだ！！」 「撃ちまくれ！弾はあっても撃つ人間が居なくなったら終わりだからな！」 苦戦の渦中にあるなかで、ヒストリカに悪い知らせが続々と流れ込む。 「大統領、報告です。チヨ、ベルナデット、久龍、共にこちらへ撤退していきます。あわせて第2、第3、第4部隊、戦車隊も音信不通です。残りの部隊はこちらへ撤退するように指示しました。」 「やはりダメなのか…。」 「死傷者計算で戦力の7割を失いました…作戦参謀としてこれ以上の損害は全滅につながります。ヴェルディンの使用許可を求めます。」 「ヴェルディンか…この街すべてを吹き飛ばすようなものだぞ。」 「人を失うことは街を失うのと同義であると貴方は仰いました。大統領、貴方を失うことは私自身を失うことと同じなんですよ。一体何年貴方に仕えて来たと思っているんですか？」 「…君には敵わないな、シャルル。ブチかましてやれ！」 シャルルは走り出して格納庫へと急ぐ。 「ヴェルディンを動かすぞ！誰でもいい、腕に自身のあるモノは集合せよ！」 「頼んだぞ…。」 そう呟きながら格納庫を見上げるヒストリカ。 巨大な格納庫には装甲列車「ヴェルディン」が鎮座していた。 シャルルが起動準備に入ると町中いたるところから線路が浮き上がった。 それは家をもまたぎ、ありとあらゆる場所に現れて町全体を周回出来るように張り巡らされた。 第47話：im7760656　第49話：im7774399