投稿者：こんこン さん

　また、“向こう側”にいる。美しく不思議な異世界。いつものように当て所なく彷徨い歩く。今は夕方なのだろうか、目に映るものすべてが黄金色に輝いている。あっちの方が特に明るい。惹き寄せられるように光の方へ向かう。木々が切れ、眩しさに一瞬目がくらむ。あれは……山里？　里を囲むように聳える山々と、古い本でしか見た事の無い大陸の様式の建物。あまりにも美しく調和した光景。我を失い、操られるように里の方へ足を進め…