ジューダスはシーガさんです。　元ネタはキルミーベイべーです。

報告書 先日我らの研究施設で起きた事件についての報告をまとめる。 損害は軽微なもので計画には支障が無いが調査の必要があり調べてみたところ、破壊された監視カメラ、周囲の調査で一人の少女の存在が確認できた。 何らかの目的があり犯行に及んだと思われる。（目的は不明。現在調査中） 以下少女についての情報をまとめておいた。目を通すように。 『少女調査結果』 ・○○学院高等部2学年8組所属　結月ゆかり ・レベル3（強能力者）の能力【紫電掌握】を所持。（念動力系であり発電能力はレベル2（異能力者）程度である） ・目視または指差しをした、電気を使っているモノを操る。（触れる必要は無い） ・対象としたモノの複雑さにより、支配にかかる時間・支配できる時間にバラつきがある。（操れるのは長くて数十分である） ・以上のことから彼女単体での戦闘力は高く無く、私たちの計画の障害になるほどでは無く注意対象とする。 ※追加調査・極秘情報 彼女にスキルアウト（寄せ集めで、こちらの情報は与えていません）8名送り込みましたが難なく倒されてしまいました。その19日後10倍の80名を差し向けましたが全員撃破した模様。（こちらも同様） 想定では十分に彼女の戦闘力を上回り、情報を聞きだすはずでしたが失敗。 彼女は単独犯と思われていましたが、彼女を支援する仲間の存在が確認されました。 情報元の学校・周囲からは大人しく恥ずかしがり屋と思われていたが、静かながらとても大きな意志が確認されました。 以下彼女と戦闘したスキルアウトから得られた情報です。（衛星からの画像解析・周辺のカメラ・我が計画の能力者達から裏はとれています。）必ず目を通す事。 ・目視をした上で指差しを行うことにより、さらに強力・迅速に支配する事が可能。対象物に触れることでも同等の事が可能。（危機的状況に陥った瞬間に確認された。注意する事） ・自身の精神状態により人間をも操ることが確認。支配は数秒間というわずかなものであったが、事実とするとレベル4（大能力者）以上の実力がある可能性有り。この事により彼女を観察・警戒対象とする※

なつかしいざなうさわぎ 山に囲まれた低い土地の道ばたに小さな青空市場があった。 小さな木の机の上、３つに分けられた皿、それぞれに小さな野菜がのっていた。 「なんだか雨が降りそうな予感がする」小さいタマネギのペコロスが言った。 「やっぱりですな。これは、ひんやりしてきたから、ですな」小さいナスの小茄子が言った。 「さっきまで聞こえていた、馬または虫のさわぎが聞こえなくなりましたね」小さいキュウリのミニキュウリが言った。 そして縁起の悪い到来を告げるような遠雷が聞こえると、すぐに激しい夕立が降りだすはずだとみんな静かに待ち構えた。 ――ゴトン！　何かが落ちる音がして、青空市場の脇から落雁のウサギがころころ転がってきた。 「きみ、大丈夫？」ペコロスがびっくりして言った。 「お供えのはしに加わっていたら雁がガンとぶつかってきてクチバシにくわえられて空を飛びこして空恐ろしい事に日が沈む方へ雁首を向けたら干菓子の粉でむせたそのすきに脱出としたけれども脱兎のごとく下に落ちてガンとぶつかったんです」落雁のウサギは早口で言った。 「それはですな。とてもですな。これはたいへんな思いをなすりましたですな」 ウサギは落ち着いたら恥ずかしくなってしまい、あらためてみんなにあいさつをした。 「小さいタマネギさんはじめまして。小さいナスさんはじめまして。小さいキュウリさんはじめまして。ナスさんはじめまして。キュウリさんはじめまして」 「どうやら……、まだちょっと疲れているみたいですねウサギさんは」「大丈夫ですか？　ナスさんとキュウリさんに２回あいさつくりかえしてましたよ」 それを聞いたウサギは挙動がとんでもない感じにきょとんとして言った。 「ええ？　小さいタマネギさん小さいナスさん小さいキュウリさんナスさんキュウリさんじゃないですか！」 （文字数制限のため以下略） ｛注釈：冒頭の「山に囲まれた低い土地」とは盆地のこと｝ ――ながなすものがたり（十九）「名は体を表す。じゃがいもはながもち」