あまりにもPにしか関心がないまゆに戯れに絡むユッコとシューコ。

エルフの里に住むためには寿命がないなど条件を満たした上で、主であるレアの祝福（例外あり）を受ける必要があります。 さて、移住希望を出していた悪魔たち。クリーチャー商店街に投宿して機会を伺っていましたが、ようやく許可が下りて城壁のような門をくぐり、中央にそびえるレアの館に通されました。 華麗な講堂には臣下が居並び、警備隊がレアの脇を固めています。 「皆様ようこそ、エルフの里へ。私はレア。この里の結界を束ねる者です」 「移住の許可をいただき、ありがとうございますレア様」 「ルイザとアイリス、Ａ子の三名、でよろしいですわね？」 「ええ、一日も早く里に溶け込めるよう努めます」 「当座の生活について詳細は後ろにいるマリエル女官長に、城下のことは青龍殿になんなりとお尋ねくださいませ。困りごとがありましたらいつでもご相談に応じましょう。里の敷地を借り上げたいとの希望ですけど、ご商売なさる予定ですか？」 「いいえ、私たちは教会を建てたいのでございます、レア様」 「教会？」 「ごらんのとおり私は天使で聖女の司祭、後ろのふたりは悪魔ながら尼僧でございます。上位種族は宗教に関心がない者が大半ですが、迷える者や悩める者の心に寄り添う存在が野にひとつくらいあってもよろしいかと」 「確かにそうですわね」 「レア様。統括としてひとつだけ彼女らに条件を提示させていただきたいが、許可願えますか」 「何でしょう、オルティス」 「本国に宗教を持ち込むのはかまわん。だが、それが里の住民に強制されるようなものであってはならぬ」 「ご心配にはおよびません、オルティス様。神の御心に従い祈りを捧げるのは自発的でなければ意味がありませんもの。ねえ、シスター・アイリスに、シスター・Ａ子？」 「ほほほ、当然ですわ。我々の神は争いごとは好みませんことよ」 （まあ、入っちゃえばこっちのもんよ。お偉方含めて里の住民みーんな信者としてゲットしちゃうんだから） ――かくして、悪魔教会は繁盛するも宗教行事という名のイベントで里の住民を楽しませ、今年の年末年始も除夜と称して年越しに百八つの鐘を鳴らすはめになるとは、彼女たちも予想だにしていなかったのでありましたｗ

ハナミズキ-学名Cornus florida 西洋での花言葉は「私があなたに関心がないとでも？」